Google
オフコン練習帳内を検索
インターネット全体を検索

NECオフコン関連
オフコン一般
情報
トップ  >  入出力装置の指定の仕方

入出力装置の指定の仕方

1 入出力装置

オフコンには磁気ディスクやフロッピーディスク装置、磁気テープ装置、プリンタ、端末(ディスプレイとキーボードのセット)など、いろいろな入出力装置を付けることができます。

オフコンについているすべての入出力装置は「装置タイプ+3桁の装置番号」というユニークな名前を付けられています。
そしてその名前でプログラムからデータの在りかを指定したり、データを出力(印刷)したりしています。

以下に主要なものを挙げます。
カードファイルやOCR入力ファイル、光磁気ディスク装置など今は使われないものあります。これらは昔はそんなものもあったよということで参考で載せています。

装置タイプ装 置 名
MSD磁気ディスク(ハードディスク)
FDUフロッピーディスク
PRNプリンタ
CTUバックアップ対象装置
STNステーション
RMSリモートファイルアクセスの磁気ディスク(ハードディスク)
MTU磁気テープ装置(A-VX02以降は未サポート)
CRD(紙)カードリーダ
MSRマークシートリーダ
MOU書き換え可能型光磁気ディスク(5インチMO)
OCR光学式文字読み取り装置(OCR)

リモートファイルアクセスの磁気ディスクは、リモートファイルアクセスで使われる装置タイプでちょっと意味が異なります。別のオフコンについている磁気ディスクをネットワーク越しに見に行く機能なのですが、そのときに相手先の磁気ディスクを指定するときに使います。詳しくはリモートファイルアクセスのところで説明します。

カードリーダとマークシートリーダ、磁気テープ装置、光学式文字読み取り装置、書き換え可能型光磁気ディスクは2000年以前にNECのオフコンに接続できる装置の販売が終了しています。今は使えません。
ただ磁気テープ装置は2000年前後に私がヘルプで行った先にあって、1度だけ使った経験があるので、その辺りではまだ使っているところがありました。

フロッピーディスクは装置自体はA−VX02以降は使えなくなりましたが、A−VX形式フロッピィディスクという形でA−VX02も使用できます。

・磁気ディスク装置(ハードディスク)

NECのマニュアルには「磁気ディスク装置」と書いてありますが、ハードディスクドライブのことです。

他のOSと同様にハードディスクを複数のボリュームに分けて使用することができました。

Linuxのようにマウントするような形ではなく、Windowsのように複数のボリュームに分けられているというイメージです。 Windowsでは、Cドライブ、Dドライブ等と言っていますが、A−VXではMSD000、MSD001等、「MSD」+数字3桁の名前になっています。

特にMSD000は通常SRVと呼ばれ、主にシステムが使用するボリュームとなります。WindowsのCドライブ相当の役割のボリュームです。

MSD001以降は、自由に作成することができます。システムによって、MSDxxxが10個も20個もあるものもありますし、MSD000だけの場合もあります。

A−VX3以降は、Windows上で動く仮想環境となっています。このため、これらのボリュームはWindows上でPAMSDxxxという名前の大きなファイルとして扱われています。
VMWareやHYPER−Vの仮想環境の仮想ハードディスクと同じです。A−VXの仮想ボリュームは固定のサイズのみです。一度作られるとサイズを変更することができないので、サイズが足りない場合は一度データをバックアップして、仮想ボリュームを作り直して、バックアップを戻す、という作業が必要になります。

・フロッピーディスク装置

Windowsでは、Aドライブ、Bドライブと言っていますが、これがA−VXではFDU000、FDU001等、「FDU」+数字3桁の名前になっています。Windowsなどパソコンは最大2台までフロッピーディスク装置が付きますが、A−VXは最大4台まで対応しています。

フロッピーディスクのフォーマットはIBM形式と呼ばれるもので、通常はWindowsから中のデータを読むことはできません。これは汎用コンピュータあるいはメインフレームと呼ばれる大型のコンピュータのフロッピーディスクと互換性があります。
A−VX01になってからIBM形式以外にA−VX01形式と呼ばれる形式のフロッピーディスクが用意されました。それはWindowsからフロッピーディスクを見ると、PAFDU000という名前のファイルになっていることがわかります。この形式はNECのオフコン独自の形式で他のコンピュータのフロッピーディスクとは全く互換性がないため、あまり使わないでしょう。

フロッピーディスク装置が無くなったので、A−VX02以降はA−VX形式の仮想フロッピーディスクを利用するように変わりました。Windowsのハードディスク内にフロッピーディスクの仮想ドライブを作成する仕組みです。

・バックアップ対象装置

カセット磁気テープ装置、カートリッジ磁気テープ装置、DAT、AITなどバックアップ目的の装置も名前が付いています。CTU000、CTU001などのように、「CTU」+数字3桁です。

CassetteTapeUnitの略だと聞いたことがあります。

これも以前書いた説明がありますので、以下にそのリンクを載せておきます。

バックアップ媒体いろいろ
カートリッジ磁気テープ、カセット磁気テープ、MiniQIC、TRAVAN、AIT、LTO etc.

・磁気テープ装置

バックアップ目的ではない磁気テープ装置は「MTU」+数字3桁です。

順編成ファイルが入ります。

大きなオープンリールのテープです。今時使いませんよね。

・プリンタ

プリンタにもPRN000、PRN001などのように、「PRN」+数字3桁で名前が付けられています。A−VXシステムで使うプリンタはすべて一意な装置タイプ+3桁の装置番号が付けられています。

プリンタはシステムプリンタやステーション対応のプリンタ、リモートプリンタなどいろいろ種類があり、その種類によって数字3桁の部分の割り振りが決まっています。

・端末装置

端末も1台1台名前が決まっています。STN000、STN001のように「STN」+数字3桁で表されます。

通常システムステーションと呼ばれる一番偉い端末が1台用意されています。

これらの数はシステムによって変わります。小さいシステムならば、磁気ディスク装置1個(MSD000)、プリンタ1台(PRN000)、端末1台(STN000)ということになるでしょうし、大きなシステムであれば磁気ディスク装置10個(MSD000〜MSD009)、プリンタ100台、端末200台ということもありえます。

例えば、順編成ファイルの在りかを表すのに「MSD001」の「DATA01」ファイル、PRG01のソースの在りかを表すのに「MSD001」の「USERSUL」ファイルの「PRG01」のソース、「FDU000」の「DATA02」ファイルなどと言います。

ユーティリティやJCLなどでこの装置タイプ+装置番号を使って使用する入出力装置を指定します。よく使われるので自然に覚えます。

2 フロッピーディスク装置

上で書いた通り、フロッピーディスク装置はとうとう販売終了になって、2009年12月発売のオフコン:Express5800/V600−LHシリーズ(OS:A−VX02 R1.0)からはA−VX形式と呼ばれる仮想フロッピーディスクになりました。

簡単に流れを示すと 2003年より前・・・普通にフロッピーディスク装置が使える。1.2MBの容量のIBM標準フォーマット形式形式と言われるフロッピーディスク。NECの説明書にはA−VX01形式と対応してITOS形式と書かれることもあります。

2003年12月から・・・A−VX01 R1.0からA−VX01形式と呼ばれる独自の形式が用意。従来通りのIBM標準フォーマット形式と新しいA−VX01形式のどちらかを択一選択して使える。

2009年12月から・・・フロッピーディスク装置ではなくハードディスク上にA−VX形式と呼ばれる仮想フロッピーディスクのイメージを作って使う。

おそらく将来的にWindowsで主流の1.44MBの容量のフロッピーディスク装置が主流となるとみて、1.44MBのフロッピーディスクに1.2MBのPAFDU000というフロッピーディスクイメージを入れた独自のA−VX01形式というものを用意した。仮想ドライブをフロッピーディスクに入れて使うという独自の仕組みでいけるという判断。

ところが思ったより早くフロッピーディスク装置が無くなったので、フロッピーディスクを使わないA−VX形式と呼ばれる仮想フロッピーディスクイメージを用意した、そのようなところだと思います。

IBM標準フォーマット形式は、IBMや標準という名前が付いていることで分かるように、NECや他の会社製のオフコンやメインフレームでも読み書きできる形式でした。A−VX01形式やA−VX形式は独自なのでそういったことは全くできません。NECのオフコン同士のデータ交換しかできません。そこが最大の難点でした。

過去いくつかフロッピーディスク装置に関して説明を書いたので、リンクを載せておきます。

フロッピーディスクについて
従来のIBM形式のフロッピーディスクのときの説明
(1)使用できる媒体の種類 (2)使用できるフロッピーディスク装置
(3)フロッピーディスクのフォーマット形式
A−VX01形式フロッピーディスク
A−VX01形式のときの説明
A−VX形式フロッピーディスク
A−VX形式のときの説明
FDイメージマウント/アンマウントツール

A−VX4やA−VX01は、A−VXのハードディスクは仮想ボリュームというものになっています。例えばMSD000がPAMSD000、MSD001がPAMSD001・・・というような対応になっています。このPAMSDxxxの1個1個が、昔(システム3100やシステム7200、OSで言うとA−VX10やA−VX2)のハードディスクの1つのボリュームとなります。
おそらく皆さんのPAMSDxxxのファイルのサイズは500MBとか800MBとかいうサイズだと思います。(数GBとかもっと大きなサイズで設計し直している場合もあると思いますが。)昔のハードディスクのサイズはこのくらいでした。今のハードディスクのサイズは数十GBとか数百GBです。隔世の感があります。
A−VX02になってからは、これしかなくなってしまいました。しかし、徐々に改善はされているようです。