ログ機能と自動通報遠隔監視
- 1 A−VXのログ機能
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システム使用中に発生した各種事象に関する情報を時系列でファイルに記録したものをログといいます。
A−VXの世界でログというと、一般的にジョブ活動記録(ジョブログ)、メッセージ記録(メッセージログ)、利用者情報記録(ユーザログ)の3種類となります。
Windowsのイベントログというログにも記録されます。
それぞれ記録される種類・内容が異なるので、目的に応じて利用しなければなりません。
- 2 A−VXの自動通報遠隔監視
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オフコンやサーバが複数台あるとき、それらを集中して管理したい時があります。
例えば支店・営業所ごとにオフコンがある場合に、それらのオフコンは自動電源制御や自動運転で無人運用していることが多いです。この場合、これらのオフコンに何らかの問題が発生しても誰も気が付きません。
このとき本社のオフコンで各地のオフコンを遠隔で監視していれば、異常が発生したときにいち早く検出して対処することが可能になります。
NECのオフコンには、オフコンのログ情報のエラーのレベルや重要度に応じて監視しているオフコンに通知する仕組みがあります。
各オフコンから送られてきた情報は、中央で監視しているオフコンのリモートコンソールログに記録され、それを見ることにより各オフコンの状態を監視することができます。
A−VXがWindowsの仮想環境になってからは、Windows上で動く監視ソフト、運用管理ソフトを利用できるようになりました。
ESMPRO/ServerAgentとESMPRO/ServerManagerの組み合わせは、NECのオフコンにバンドルされているためよく使われます。
この監視ソフトはNECのオフコンだけでなく、通常のWindowsサーバ(NECの製品で言うとExpress5800/100シリーズなど)も監視できるため、オフコンやサーバをまとめて遠隔監視することができます。 - 3 ログ機能と自動通報遠隔監視
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以前書いたものがあるので下にリンクを貼ります。
1.A−VX固有のログ
(1)A−VX固有のログの種類
(2)ジョブ活動記録
(3)メッセージ記録
(4)利用者情報記録 2.A−VX固有のログの設定
(1)A−VX固有のログの設定
(2)システム生成(SG)の設定
(3)ログファイルの確保
(4)ログを有効にする 3.ログ関連ユーティリティ
(1)ログ編集ツール(#LGEDT)
(2)コンソールログユーティリティ(#CSL00) 4.WindowsのイベントログとA−VXのメッセージ
(1)WindowsのイベントログとA−VXのメッセージ
(2)メッセージ記録情報とイベントログの関係
(3)その他のメッセージ 5.自動通報遠隔監視
(1)自動通報遠隔監視とは
(2)ESMPRO方式 6.イベントログに関するA−VXのツール
(1)イベントログ設定機能ツール 7.参考にした説明書
(1)参考にした説明書 - 4 (おまけ)COBOLプログラムからログに出力する方法
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COBOLプログラムから利用者情報記録(ユーザログ)にメッセージを出力することができます。
何でもメッセージを出力できるわけではなく、あらかじめメッセージファイル(SYS@MSG)に登録されているメッセージだけです。
メッセージファイルにメッセージを登録するには、メッセージファイル保守ユーティリティ(#MSGM)を使用します。
例えば複数のCOBOLプログラムで共通のメッセージをメッセージファイルに登録しておけば、メッセージの内容を変更する時も、全部のCOBOLプログラムを変更する必要はなくなります。その他にリセットキーを押すまで待つとか警告音を鳴らすとかある程度のカスタマイズもでき、エラー発生時の自動通報などにも利用できます。
これも以前書いたものがあるので少し手直しして下に転記します。
- 4.1 メッセージファイル
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メッセージファイル(SYS@MSG)が何かというと、システム上で表示するメッセージを一括管理するためのファイルです。メッセージファイルにはA−VXが画面上に出力するメッセージをいろいろ保存しています。
このファイルはシステムに必ず1個あります。SRV(通常MSD000)に存在します。
システムのメッセージも登録されています。下に、最初からシステムのメッセージとして登録されているメッセージの一部を紹介します。
メッセージファイルの中のメッセージ(最初から入っているシステムのメッセージの最初の数個分) 0001 : 00011200 00000000 00 01 0 059 CBS P 15O E M0012: 要求機能がSGされていません 0002 : 00011500 00000000 00 01 0 059 CBS P 13M S M0015: ボリュ―ムカタログ機能が働きません 0003 : 00011600 00000000 00 01 0 059 CBS P 13M S M0015: ボリュ―ムカタログファイルが見つかりません 0004 : 00012000 00000000 00 01 0 059 CBS 15O E M0020: (PRG=%PRGT ,ADR=%PEAR ) プログラムエラー %PERP 0005 : 00012100 00000000 00 01 0 059 CBS P 15O E M0021: (PRG=%PRGT ,ADR=%PEAR ) 不正十進数エラ― 0006 : 00012200 00000000 00 01 0 059 CBS P 11M E M0022: メモリパリティエラ―が発生しました 0007 : 00012300 00000000 00 01 0 059 CBS P 15O E M0023: (PRG=%PRGT ,ADR=%PEAR ) 不正命令を実行 0008 : 00012400 00000000 00 01 0 059 CBS P 15O E M0024: (PRG=%PRGT ,ADR%PEAP) ブランチ命令エラ― 0009 : 00013000 00000000 00 01 0 059 CBS P 15O E M0030: DMAがオ―バ―フロしました 0010 : 00016000 00000000 00 01 0 059 CBS 15O C M0060: RORI可能領域不足で起動できません。(PRG=%PRGT ) 0011 : 00018000 00000000 00 01 0 059 CBS P 13M A M0080: システムログファイルオ―バ―フロ. ・ ・ ・
システムのメッセージしか入れられないとしたら、私たちには何の役にも立ちません。
メッセージファイルにはシステムのメッセージがあらかじめ入っていますが、ユーザアプリケーションが出すメッセージも登録することができます。
- 4.2 メッセージファイル利用方法
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どんな時に利用するかというと、
複数のプログラムに共通のメッセージ(例えばエラーメッセージとか)があるとき、そのメッセージをメッセージファイルに登録しておき、複数のプログラムからはメッセージファイル上のメッセージを表示するようにします。このようにすることによって、プログラム毎にメッセージを用意する必要がなくなります。
利点としては、メッセージを変更する必要が発生した時には、メッセージファイルのメッセージのみ変更するだけでよくなり、プログラムの再コンパイルは必要なくなります。(プログラム側にメッセージが必要なくなるので、メモリやディスク容量の節約にもなるのですが、メモリもハードディスクのサイズも潤沢にあるこの時代、あまり利点にはなりませんね。)
欠点といえば、OS(この場合A−VXのこと)バージョンアップやサーバ移行の時に、ちゃんと管理していないとメッセージファイル上のデータを移行するのを忘れてしまいがちということでしょうか。他にメッセージの登録や移行時に気をつけることとしてはメッセージファイルのサイズを考えてメッセージの登録を行わないと、ファイルがオーバーフローしてしまいます。(これはファイルサイズを拡張すればよいだけの話ですが。)
サーバを移行する時に、メッセージファイルの移行を忘れると、メッセージを表示しようとした時に、下のように「メッセージがありませんよ!」というエラーが表示されてしまいます。
このメッセージファイルを使う目的はいろいろあるかと思います。メモリやハードディスクの容量が非常に少なかった時代には、それらの節約のためにメッセージファイルを使用するということも大きな目的だったのだと思われますが、最近ではメモリもハードディスクも潤沢にあるのでその必要性は薄れました。パラメータでメッセージ表示時の処理を追加(音を出す、画面保存etc.)できるので、そういった機能を利用してプログラム間で操作の共通化を図ったり、コーディングの省力化といった目的、あるいは自動通報機能を使用するといった目的に使用することができます。
- 4.3 具体的な例
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実際にメッセージをメッセージファイルに登録して、そのCOBOLプログラムからメッセージを出力する方法の例です。以前書いていたものがあるのでリンクします。
メッセージの登録
実際にユーザプログラム用のメッセージをSYS@MSGに登録してみます。 メッセージファイルに登録したメッセージをCOBOLで使用する方法の例
あまり良いプログラム例ではありませんが・・・。