5.自動通報遠隔監視
- (1)自動通報遠隔監視とは
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自動通報遠隔監視機能とは、遠隔地からサーバの状態を監視したり操作したりといったことを実現させるための機能です。
今回はこの機能の「ログの自動通報」部分についてだけ説明します。
A−VXには、メッセージログに出力した情報を遠隔地に送信(自動通報)する機能があります。遠隔地と書きましたが、実際は隣においてあるサーバでもかまいません。一方遠くの場所(極端な話、例えばニューヨークから東京とか)のサーバを監視する事もできます。
現在はこの機能を実現するために2つの方法が用意されています。1つは昔ながらのMM3方式、もうひとつが現在主流のESMPROを使用する方式です。
MM3方式 ESMPRO方式 特徴 A−VX10時代からある昔ながらの方法 最近主流の方法 必要なもの A−VX固有の通信ボード
MM3のSG普通のLANボード&LANケーブル
ESMPRO(Windows側のアプリケーション)監視対象 NECのオフコン NECのオフコン他ESMPROで監視できるもの 監視する側のサーバ NECのオフコン ESMPROが動くWindowsサーバ/パソコン MM3方式は現在主流ではないので、ここでは説明を省略します。
- (2)ESMPRO方式
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ESMPROは、NECの運用管理ソフトの総称で、その中にESMPRO/ServerAgent(以下ESMPRO/SAと書きます)というサーバ管理ソフト(A−VX専用ではなく、普通のWindowsのアプリケーション)があります。これを巧みにA−VXシステムの中に取り込んで、自動通報を実現させています。(ESMPRO/SAはExpress5800/600シリーズに標準添付)
ESMPRO/SAには、サーバの状態を監視し異常になったり、イベントログにエラーが出力されたら自動的に通知を行う機能があります。で通知された情報をESMPRO/ServerManagerで受け取ります。
ESMPRO/SAは600シリーズだけでなく、100シリーズなどのWindowsサーバにもインストールできるので、オフコン/Windowsサーバ混在のシステムでも一括管理できるようになっています。
ESMPRO方式による通知の仕組みは簡単です。
まずA−VXシステムは、通知したいメッセージをエラーのメッセージとしてイベントログに出力します。
するとESMPRO/SAの「イベントログにエラーが出力されたら自動的に通知を行う機能」で、保守センタやセンタシステムに情報を送信します。
この仕組みは下の表を見れば明白で、エラーのメッセージだけ通知しています。
イベントログ メッセージログ ESMPROの通知先 イベントID 種類 DISPATCH LEVEL CENTER LEVEL 保守センタ センタシステム 1 エラー 0 保守センタ&センタシステム O O 2 エラー 1 保守センタ&センタシステム O O 3 エラー 2 保守センタ&センタシステム O O 4 エラー 3 保守センタ&センタシステム O O 1 エラー 0 保守センタ O O 2 エラー 1 保守センタ O O 3 エラー 2 保守センタ O O 4 エラー 3 保守センタ O O 5 エラー 0 センタシステムのみ X O 6 エラー 1 センタシステムのみ X O 7 エラー 2 センタシステムのみ X O 8 エラー 3 センタシステムのみ X O 9 警告 4 − X X 9 警告 5 − X X 9 警告 6 − X X 9 警告 7 − X X
ということは、メッセージファイルに自分で作ったメッセージを登録する時にDISPATCH LEVELは0〜3にしておけば、そのメッセージをセンタに送ることができるということになります。
「通常運用に入りました」とか「バッテリの充電が完了しました」などの正常系のメッセージが、なぜかイベントログ上エラーになっている理由もここから推測できます。ESMPRO/SAの「イベントログに出たエラーのメッセージを通知する」機能を使って、これらの正常系のメッセージをセンタに通知したいためだと思われます。(以前からなぜ正常なメッセージなのにエラーなのか疑問に思っていましたが、そう考えれば納得できます。)