Ａ−ＶＸ／ＲＤＢの表定義
- １ ＤＤＬ／ＤＣＬ ＳＱＬの扱い
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Ａ−ＶＸ／ＲＤＢでは表を作成するのに「create table xxxx」というようなＳＱＬ文は使いません。Ａ−ＶＸ／ＲＤＢでは、ＤＤＬ ＳＱＬは一切使用できません。ＤＣＬもトランザクション関連以外は使用できません。表（基本表、仮想表）を作ったり削除したり権限を与えたりするためには、データディクショナリ保守（＃ＤＤＭ）というユーティリティを使います。
（一部例外的にパソコンからＲＤＢサーバ経由でcreate table等が使えることもあるようですが、あくまでも例外なのでここでは述べません。）データディクショナリ保守で定義した情報は、ＳＹＳ＠ＤＢＤＩＲとＳＹＳ＠ＤＤＦ（或いはユーザＤＤＦ）というファイルに格納されます。
- ２ 表定義の保守
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ＤＤＬ ＳＱＬは使えないため、表の作成や表の削除といった操作は、データディクショナリ保守（＃ＤＤＭ）というユーティリティを使います。 表のフィールド（列）の定義（名前、属性、etc.）や機密保護関連の定義もデータディクショナリ保守で行います。
表の作成や削除などの操作方法は以前説明したものがあるので、そこへのリンクを下に載せておきます。
データディクショナリ保守ユーティリティの起動方法 表定義保守（１）・基本表を定義する 表定義保守（２）・仮想表を定義する 表定義保守（３）・レコード定義用の登録集原文を出力 表定義保守（４）・表定義情報を印刷 表定義保守（５）・基本表の表定義を削除 表定義保守（６）・仮想表の表定義を削除 表定義保守（７）・表定義を変更する 表定義保守（８）・表定義情報をユーザＤＤＦにバックアップ 表定義保守（９）・ユーザＤＤＦにバックアップした表定義を戻す
「表定義を変更する」のところでも書きましたが、基本表の表定義のフィールド（列）を追加したり、既存のフィールドの属性や長さを変えるのは結構大変です。一般的なＲＤＢ（Ｏｒａｃｌｅとか）だと、ａｌｔｅｒ ｔａｂｌｅでテーブル構成を比較的簡単に変更できますが、Ａ−ＶＸ／ＲＤＢは物理ファイル（複数索引順編成ファイル）から作り直しとなることが多いです。
作り直しとなるかどうかの境目は、その属性が複数索引順編成ファイルの属性なのか、ＲＤＢファイルの属性なのか、です。例えばあるフィールドが数字項目だったのを英数字項目に変更したい場合は、フィールドのデータ型は複数索引順編成ファイルのレコードの属性なので、複数索引順編成ファイルから作り直しになります。表のアクセスセキュリティやフィールドの参照セキュリティのような機密保護の属性を変更する場合は、ＲＤＢファイルの属性なので複数索引順編成ファイルを作り直す必要はありません。
- ３ Ａ−ＶＸ／ＲＤＢのデータ型
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一般的なデータベースの列のデータ型は、char(n）とかnumeric(n,n)とかdate,time、timestamp、varchar(n)などですが、Ａ−ＶＸ／ＲＤＢのデータ型は違います。
Ａ−ＶＸ／ＲＤＢはＣＯＢＯＬ言語に特化されているため、データ型もＣＯＢＯＬの字類／項類です。構造体形式にすることにより、階層構造にしたり、繰り返し項目にできます。またdate、time、timestampに対応したデータ型はなく、varcharといった可変長のものもありません。Ａ−ＶＸ／ＲＤＢの主なデータ型は以下の表のとおりです。
データ型 対応するCOBOLの型 英数字(C) X(n) 符号無し数字(N) 9(n) 符号付き数字(S) s9(n) 符号無しパック数字(Q) 9(n) USAGE COMP-3 符号付きパック数字(P) S9(n) USAGE COMP-3 日本語（J） N(n) 集団項目(GC) N(n) 例えば、テーブルは次のような形で表されます。COBOLのレコードそのままの形式です。
000000 01 TABLE01. 000000 10 KEY001. 000000 20 H-ID PIC X(06). 000000 20 H-NO PIC X(02). 000000 20 H-P PIC X(01). 000000 10 C-MOD PIC 9(06). 000000 10 C-NAME PIC N(20). 000000 10 CD-DAT1 OCCURS 5. 000000 20 D-KAR PIC S9(06). 000000 20 D-GAKU PIC X(10) USAGE COMP-3. 000000 10 FILLER PIC X(20).
H-IDは英数字6桁の列、H-NOは英数字2桁の列、H-Pは英数字1桁の列、この３つはKEY001という名前の集団項目に含まれています。
CD-EMODは符号無し数字で6桁の列、CD-NAMEは日本語で20文字の列。
D-KARからD-GAKUまではCD-DATという名前の集団項目で、OCCURS 5なので、5回繰り返しの項目になっています。
- ４ Ａ−ＶＸ／ＲＤＢの機密保護
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Ａ−ＶＸのセキュリティ機能は、ＯＣＦ機能というものによって成り立っています。Ａ−ＶＸ／ＲＤＢのセキュリティ機能、機密保護機能もＯＣＦを利用しています。
- ＲＤＢセキュリティ
- 表のアクセスセキュリティ
- 表の更新セキュリティ
- フィールドの参照セキュリティ
- フィールドの更新セキュリティ
- 物理ファイルのセキュリティ
- ＲＤＢ／ＥＵＦIIなどのエンドユーザ用アプリケーションがそれぞれ持つ追加の機密保護
ＲＤＢのセキュリティとして、表やフィールド（列）に対して機密コードを付けることができます。ユーザの機密コードと表やフィールド（列）に付けられている機密コードを比較照合して、権限があればアクセスすることができます。
もう一つ物理ファイルのセキュリティがあることも重要です。Ａ−ＶＸ／ＲＤＢのデータファイルやキーファイルの実体は複数索引順編成ファイルです。Ａ−ＶＸにはファイルに対しても機密コードを付けることもできます。表をオープンするということは、実際は複数索引順編成ファイルをオープンするということでもあるので、ファイルのオープン時にユーザの機密コードとファイルの機密コードが比較照合されます。
ＲＤＢ／ＥＵＦ�兇覆匹魯▲廛螢院璽轡腑麁伴�のセキュリティ機能があります。
実行するプログラムに対しても機密コードを付けられることも注意が必要です。プログラムを実行するときにプログラムの機密コードとユーザの機密コードが比較照合されます。ＲＤＢを使うプログラムに対して適切な機密コードを付けるという方法でもデータベースのセキュリティを上げることができます。
データディクショナリ保守（＃ＤＤＭ）で表定義保守を行うことができるのは、”Y”および”Z”タイプの機密コードを持つオペレータだけです。
ＯＣＦ機能については、別に説明していますので、ここではこれくらいにします。
- ５ カンパニＲＤＢ
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カンパニというものを簡単に説明すると、１台のオフコンを複数領域に分割して複数台のオフコンがあるように見せる機能です。カンパニ毎にオフコンが分割されたように見えるので、あるカンパニで操作しているユーザーは別のカンパニの表を見ることができません。このようにカンパニは一種のセキュリティ向上策としても使用できます。
表、物理ファイルにカンパニコードを付けることができます。
どのカンパニコードも付いていない表は、グローバル表と呼ばれ、どのユーザでも（表の機密保護がなければ）見ることができます。
表の種類 説明 グローバル表 どのオペレータからも制限なく参照できる ローカル表 定められたカンパニコードをもつオペレータだけが参照できる カンパニもＯＣＦ機能に関係します。ＯＣＦ機能については、別に説明していますので、ここはこれくらいにします。
- ６ ＪＳによる表定義の併合／削除
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表定義の併合／削除をＪＳにより行うことができます。
これにより、データディクショナリファイルの更新処理をバッチ処理に組み込むことができます。例えば事前に表定義を作成してユーザＤＤＦに格納しておき、実環境にバッチで表定義を展開するということができます。評価環境で使用していたＤＤＦ情報をユーザＤＤＦに格納すれば、本番環境にユーザＤＤＦの表定義をそのまま併合することで、評価環境と本番環境の表定義を同じにするといったことも可能です。
- ７ 分散ＲＤＢ
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Ａ−ＶＸには、ＲＦＡ（Ｒｅｍｏｔｅ Ｆｉｌｅ Ａｃｃｅｓｓ）機能と呼ばれる機能があります。この機能は通信回線を使って遠隔地にある別のオフコンのファイルやＲＤＢファイルにアクセスするというものです。
このＲＦＡという機能を使って、ＲＤＢの利用者がＲＤＢのデータファイルの存在場所を意識せずにアクセスできるようになります。このようなＲＤＢのことを分散ＲＤＢと呼びます。
このＲＦＡ機能はＡ−ＶＸ／ＮＥＴの一部です。
