基本表と仮想表
- １ Ａ−ＶＸ／ＲＤＢの独特な用語
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まず、Ａ−ＶＸ／ＲＤＢと他のＲＤＢとでは用語が少し異なっていることがあります。これから説明する”表”もその代表です。同じことを別の言葉で言っているだけなので、慣れれば何の問題もありません。
なるべく一般のＲＤＢの用語と比較して説明したいと思います。
- ２ 基本表と仮想表
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テーブルのことをＡ−ＶＸ／ＲＤＢでは基本表、ビューのことを仮想表、基本表と仮想表を合わせて表といいます。
表の種類 概要 基本表 一般的なＲＤＢの用語で、テーブル（table）のこと 仮想表 一般的なＲＤＢの用語で、ビュー（View）のこと ＮＥＣの説明書では、表、基本表、仮想表と書いてあるので、このサイトでもそのように書きます。頭の中で基本表→テーブル、仮想表→ビューと置き換えていただければいいと思います
- ３ 基本表
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テーブルのことです。
物理ファイルと同じデータ構造を持ち、物理ファイルと１対１に対応している表のことです。
基本表に対しては、参照、更新、追加、削除などを行うことができます。
キーを経由してデータをアクセスするほかに、キーを経由せずに直接データをアクセスすることができます。キー経由か直接データをアクセスするかによって、データレコードを読む順番が違ってきます。Ａ−ＶＸ／ＲＤＢには集合に順番があります。このあたり、普通のＲＤＢでは無い挙動なので、「？？」となると思います。
これに関しては、後で説明します。 - ４ 仮想表
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１つまたは複数の基本表（テーブルのことね）から任意のデータを選択・結合などを行い作られる表のことを仮想表（ビューのことね）といいます。
Ａ−ＶＸ／ＲＤＢでは、仮想表を３種類に分類しています。単にどのような操作をして仮想表を作ったかで分けているだけです。
仮想表の種類 概要 選択型仮想表 １つの基本表から、必要な列を取り出して作った表のこと。関係演算では「射影（projection）」に当たる。（選択型だが、関係演算の「選択」ではない。） 結合型仮想表 複数の基本表から、共通な列で結合して作った表のこと。関係演算では「結合（join）」に当たる。
結合型仮想表には、「結合（JOIN）」と「連鎖（CHAIN）」という２種類の結合方法がありますが、これはそれぞれ「内部結合（INNER JOIN）」と「外部結合（OUTER JOIN）に相当します。
結合するときには、元になる表とそれに結合する表があり、それがプライマリ表、セカンダリ表と呼ばれます。合併型仮想表 同じ形式の複数の基本表を１つの表として作った表のこと。集合演算の「和（UNION）」に相当します。
複数の表を「和」した後に「射影」した仮想表を選択合併型仮想表といいます。
複数の表を「和」しただけの仮想表は基本合併型仮想表といいます。
ＳＭＡＲＴ�僑釘悗筍達錬贈錬味牽気悩遒辰織廛蹈哀薀爐任蓮�以上の種類の表があります。
ＲＤＢ／ＥＵＦ�兇任蓮△海梁召法岼貉�表」という種類の表があります。
- 4.1 選択型仮想表
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Ａ−ＶＸ／ＲＤＢでは、一つの基本表から必要なフィールド（列のことね）を指定した順番で取り出した仮想表のことを選択型仮想表といいます。
普通のＲＤＢでは、射影演算で作られたビューのことです。何の変哲もないビューにＡ−ＶＸ／ＲＤＢではわざわざ名前を付けています。
上の図では、基本表から「氏名」と「性別」のフィールドを取り出して選択型仮想表を作っています。
選択型仮想表に対しては、参照、更新、追加、削除などを行うことができます。追加を行う場合には、仮想表に定義されていない基本表のフィールドにシステム規定値として１６進数００をセットします。
基本表と同様にキーを経由してデータをアクセスするほかに、キーを経由せずに直接データをアクセスすることができます。キー経由か直接データをアクセスするかによって、データレコードを読む順番が違ってきます。
- 4.2 結合型仮想表
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複数の基本表で構成される仮想表で、共通するフィールドを使って２つの基本表を結合し、取り出した仮想表のことを結合型仮想表といいます。（必要ならフィールドの選択も行います。）
上の図では、２つの基本表を「社員番号」のフィールドで結合して結合型仮想表を作っています。
ここでまたＡ−ＶＸ／ＲＤＢ固有の用語がいろいろ出てきます。
結合型仮想表を作成するときに、一番基盤となる基本表を１つ指定しなければなりません。この基盤になる基本表をプライマリ表といいます。その他の基本表をセカンダリ表といいます。セカンダリ表が複数あるときは、第１セカンダリ表、第２セカンダリ表・・・というように言い表します。セカンダリ表は最大で１５個まで結合することができます。
基本表を結合する為の共通のフィールドのことを結合キー、プライマリ表側の結合キーを対応キー、セカンダリ表側の結合キーをアクセスキーと呼びます。
上の図では、基本表Ａと基本表Ｂを結合して結合型仮想表を作っています。
仮に、基本表Ａを基盤にして社員番号のフィールドを結合キーにして基本表Ｂを結合しているとしたら、基本表Ａがプライマリ表、基本表Ｂがセカンダリ表となります。
両方の基本表の社員番号のフィールドが結合キー、基本表Ａ側の社員番号フィールドが対応キー、基本表Ｂ側の社員番号フィールドがアクセスキーとなります。（ちなみに基本表Ｂをプライマリ表、基本表Ａをセカンダリ表と考えると、基本表Ｂ側の社員番号フィールドが対応キー、基本表Ａ側の社員番号フィールドがアクセスキーとも言えます。この２つ表の場合どちらでも考えられます。）
結合型仮想表に対しては参照だけが許されます。
基本表と同様にキーを経由してデータをアクセスするほかに、キーを経由せずに直接データをアクセスすることができます。キー経由か直接データをアクセスするかによって、データレコードを読む順番が違ってきます。
結合型仮想表には、「結合（JOIN）」と「連鎖（CHAIN）」という２種類の結合方法がありますが、これはそれぞれ「内部結合（INNER JOIN）」と「外部結合（OUTER JOIN）に相当します。
連鎖で対応キーのフィールドと同じ値のデータがアクセスキーフィールドにない場合、セカンダリ表側のフィールドには、数字項目なら０、英数字項目ならSPACE、日本語項目なら2バイトSPACEが入ります。 - 4.3 合併型仮想表
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複数の基本表のデータを論理的に縦に並べた仮想表を基本合併型仮想表といいます。この基本合併型基本表から必要なフィールドを指定した順番で取り出した仮想表のことを選択合併型仮想表といいます。基本合併型仮想表と選択合併型仮想表の２つのことを合併型仮想表といいます。
一般的なＲＤＢで言えば、普通に複数のテーブルを和演算（Union）でつなげたビューということです。
最大１６個の基本表を合併することができます。定義する順番に第１プライマリ表、第２プライマリ表・・・と表現します。
基本表と同様にキーを経由してデータをアクセスするほかに、キーを経由せずに直接データをアクセスすることができます。キー経由か直接データをアクセスするかによって、データレコードを読む順番が違ってきます。
大昔はＡ−ＶＸのファイルサイズの最大値がそんなに大きくなかったので、データが巨大な場合は、データを複数のファイルに分割して保存し、実際に使用するときに複数のファイルを結合して使うということもあったようです。そのようなときに利用されたりもしました。
Ａ−ＶＸ／ＲＤＢではいろいろな名前を付けていますが、テーブルやビューにいろいろな名前を付けているだけです。なので覚える必要は全くありません。
- ５ 基本表の実体は複数索引順編成ファイル
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実は、Ａ−ＶＸ／ＲＤＢの基本表の実体は複数索引順編成ファイルです。複数索引順編成ファイルの上に”表定義”というものを被せたものです。
基本表は、ハードディスク上では複数索引順編成ファイルとして存在します。例えば、基本表にレコードを追加すると、対応する複数索引順編成ファイルのデータとして格納されます。
基本表でデータを検索すると、対応する複数索引順編成ファイル内のデータを検索します。単にＲＤＢを使用する上では基本表の実体が何かは理解する必要はありません。しかしシステムを設計しようとか、チューニングしようとするときには基本表の実体が複数索引順編成ファイルであることを理解している方がよいです。というのは結局実体がファイルであるので、いろいろなところでファイル特有の特徴が表れてきます。
これからも「Ａ−ＶＸ／ＲＤＢではｘｘのように動きます。その理由は基本表の実体が複数索引順編成ファイルだからです。」という話がたくさん出てきます。
念のため、複数索引順編成ファイルについて簡単に復習しておきましょう。
複数索引順編成ファイルは、データファイルと１〜８個のキーファイルから構成されるファイルです。
キーファイルを経由して、データを順アクセス（キーファイルに格納されている順番（つまりキーの昇順）にレコードを読み込む）、乱アクセス／動的アクセス（キーを指定してレコードを直接読み込む）することができます。データファイルやキーファイルはオーバーフローをすることがあるので、その場合はファイル再編成を行ったり、ファイルを拡張／追加する必要がありました。
特定のキーファイル経由でレコードの追加削除を行うため、他のキーファイルは必要に応じてキーファイルの再編成という作業が必要になるということもありました。キーファイルの再編成を避けるためにはキーファイルに同時更新という属性を付けることもできます。しかしキーファイルを同時更新にすると性能低下の問題が発生しやすくなるので、あるキーファイルを同時更新にするかどうかの判断は慎重に行う必要がある、ということも書いたと思います。
