ＤＢエンジン機能
- １ ＤＢエンジン機能とは
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ＤＢエンジンは、ハードディスク上のファイルをメモリへ貼り付けることにより、ファイルに対する処理を高速化する機能です。
ＤＢという名前ですが、データベース以外のファイルもメモリ上に貼り付けることができます。
メモリ上のファイル／データベースをアクセスするという点から、”原始的なインメモリデータベース”だといえます。
ＮＥＣの説明書では、ＤＢエンジンのことをＤＢ−ＥとかＤＢＥと略していますので、ここでも同様に略します。
- ２ ＤＢエンジンの仕組み
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仕組みについてはＮＥＣの説明書の内容が一番わかりやすいと思うので、そのまま転記します。
業務開始前に、ユーティリティにて必要なファイルをＤＢ−Ｅに貼り付けます。（� 法複庁臓檻鼎愿修衂佞韻襯侫．ぅ襪蓮△△蕕�じめＤＢ−Ｅ対象ファイルとしての属性を指定しておく必要があります。
- ＲＥＡＤ処理（バッファ上に必要なデータが存在しない場合）
ＤＢ−Ｅに登録されているファイルを参照する場合、ディスク上のファイルではなくＤＢ−Ｅよりバッファへデータが転送され、バッファからＡＰへ転送されます。（�◆� - ＲＥＡＤ処理（バッファ上に必要なデータが存在する場合）
既にバッファ上に転送されたデータを参照した場合はＡＰとバッファ間で処理が行われます。（��） - ＷＲＩＴＥ処理
・ＡＰからバッファ上のデータが更新されます。（�ぁ�
・ライトバック機能によりバッファ上のデータ更新とは非同期にディスクとＤＢ−Ｅのデータが更新されます。
［データ管理説明書（２００９年１１月版）−１４．１．１ ＤＢ−Ｅによるファイル処理の概要］より書き込みよりも読み込み時の性能を重視するような用途で使用します。主にファイル内のデータを参照するだけのような場合に使用すると効果大です。
ハードディスクへの書き込みは非同期に行われるので、ＵＰＳは必須です。非同期とはいえ、ハードディスクとＤＢ−Ｅの両方のデータを更新する為、頻繁な書き込み処理は負荷が高まります。
ファイルをオフコンのメモリ上に貼り付ける仕組みなので、十分な物理メモリを搭載する必要があります。貼り付けるファイルサイズと比べて物理メモリが少ないと、逆に遅くなったり、アプリが起動できなくなったりする可能性があります。
ただ、ＤＢ−Ｅの最大容量はモデル毎に決まっていて、最上位モデルでも最大２５６メガバイトまでなのでそんなに気にする必要もないかもしれません。
ＤＢ−Ｅの管理用ファイルとして、Ｗｉｎｄｏｗｓ側のＣドライブのＡ−ＶＸ用のフォルダに「PADBE.MAP」というファイルがＤＢ−Ｅのサイズと同じファイルサイズで作成されます。Ｃドライブの空き容量が結構ギリギリという場合は気を付けた方がいいです。
- ＲＥＡＤ処理（バッファ上に必要なデータが存在しない場合）
- ３ 対象ファイル
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ＤＢ−Ｅに貼り付けることのできるファイルの種類は次のようになります。
- 順編成ファイル
- 相対編成ファイル
- 索引順編成ファイル
- 複数索引順編成ファイル（キーファイル）
- 複数索引順編成ファイル（データファイル）
- データベースファイル
世代ファイルや一時ファイル、システムファイルといったファイルは対象外です。待機編成ファイルも貼り付けられません。
- ４ 性能効果
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ファイルのアクセスがハードディスクからメモリに替わるので、とても高速になります。爆速です。
速すぎるので、システム内部ではＤＢ−Ｅへのアクセス１６回（４キロバイト単位）に一回物理Ｉ／Ｏを発生させ、ＣＰＵ使用権のディスパッチが発生するように制御している、とのことです。
それでも高速になりすぎて、他のジョブが動けなくなりがちなので、ジョブ間のプライオリティを調整したりわざと少し遅くしたりといった調整が必要になったりもします。ＤＢ−Ｅで有効なファイルは、ＲＥＡＤ処理で物理Ｉ／Ｏが多発するような次のようなファイルです。
- 乱アクセスを行うファイル
- ＲＥＷＲＩＴＥ処理を行うファイル（ＲＥＷＲＩＴＥ処理でもＲＥＡＤ処理が行われるため、ＲＥＡＤ処理部分が速くなる）
- 大容量ファイル
- 複数のプログラムで共用するファイル
- ＳＥＬＥＣＴ処理、バーストモードで使用するファイルと同一ボリュームに存在するファイル
ＳＥＬＥＣＴ／ＳＯＲＴ処理については約６４キロバイト毎にハードディスクへの物理Ｉ／Ｏを行うため、ＤＢ−Ｅを使用した場合とほぼ同等の性能になるそうです。（ＤＢ−Ｅへのアクセスが１６回に１回（つまり４×１６＝６４キロバイト）ハードディスクへの物理Ｉ／Ｏを行うため）よって対象ファイルがＤＢ−Ｅに貼り付けられている場合でもハードディスクからデータを読み込んで処理を行うそうです。
- ５ 昔話
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ＤＢエンジン機能は、１９９３年に発売されたシステム７２００というオフコンに初めて搭載されました。このときは、「ＤＢエンジン機構」というメモリをいっぱい載せたハードウェアを利用していました。
そもそもなぜＤＢエンジン機能が誕生したかというと、１９８９年に三菱電機が発売した画期的なデータベース高速化用の専用ハードウェアに対抗する為です。ＧＲＥＯ（グレオ）という名前のそのハードウェアは、複数のＣＰＵと特殊なメモリ構造が特徴で、データの検索などが超高速で行え、当時のＮＥＣをはじめとする他社のオフコンは到底かなわないほどでした。
４年も経ってようやくＮＥＣのオフコンも高速化用のハードウェアを発売できたわけです。
その後、ＮＥＣのオフコンはＷｉｎｄｏｗｓ上で動く仮想環境になりますが、さすがに「ＤＢエンジン機構」はＷｉｎｄｏｗｓには使えなかったようで、ＤＢエンジン機能の仕組みが変わりました。「ＤＢエンジン機構」のメモリではなく、Ｗｉｎｄｏｗｓの主メモリの一部を利用するように変更されました。
