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自動電源制御

1 自動電源制御とは

NECのオフコンとその後継機は、APCUやインテリジェントUPS(I−UPS)というハードウェアを使って、自動電源制御とUPS制御を行うことができます。

自動電源制御によって、スケジュールに従って時間になったらサーバ(オフコン)の電源を付けたり消したり、あるいは端末の電源をつけたらそれに連動してサーバ(オフコン)の電源を付けたり、また遠隔地からサーバ(オフコン)の電源を付けたり消したりするようなことができます。

システム3100シリーズ時代の後半辺りからほぼ標準的に搭載されている機能です。もちろんExpress5800/600シリーズにも本機能は(最下位モデルを除いて)標準的に搭載されています。
Express5800/600シリーズは、I−UPSのみでAPCU−IIIの主要な機能がほぼ実現できます。(逆に言うと何らかの理由などでUPSをはずしたりしていると自動電源制御はできない。)

自動電源制御の設定は、Express5800/700シリーズやExpress5800/600シリーズでは、自動電源制御ユーティリティというWindows側のソフトウェアを使います。

2 できること

自動電源制御で以下のことができます。

  • スケジュールによる電源投入/電源切断
  • 自動電源制御ユーティリティで設定された日付時間/曜日で自動的に電源投入/切断を行う。
  • アプリケーションによる電源切断
  • A−VX用のCOBOLなどで作成したアプリケーションから、サーバの電源切断を行う。
  • クライアント監視による電源投入/切断
  • 回線監視による電源投入/切断
  • 手動による電源投入/切断

※本体に標準的に付いている装置だけで実現できるものもあるし、追加で専用の装置が必要なものもあります。

2.1 スケジュールによる電源投入/電源切断

バージョンによって微妙に異なりますが、下の画面が自動電源制御ユーティリティの画面です。
自動電源制御ユーティリティ

この画面は毎日設定するためのもので、毎週同じ時間で電源投入/切断するのならば、左下の方にある「週間予約表」で設定します。

「電源投入時刻」というのは、名前通りサーバの電源をつけて起動させる日時です。
「新規ジョブ開始禁止時刻」と「電源切断時刻」の2つは注意が必要です。

「新規ジョブ開始禁止時刻」は、2つの意味があります。
この時刻以降は、新規にジョブを開始することができなくなります。
そして、この時刻以降、ジョブが1つもなくなると自動的にサーバの電源が切断されます。つまり「電源切断時刻」になっていなくても、サーバの電源が切断されることがあるということです。 「電源切断時刻」になると、ジョブがあってもなくても関係なく、シャットダウンが行われて、最終的にサーバの電源が切断されます。

2.2 アプリケーションによる電源切断

AVXPOWM.EXEというA−VX付属のツールがあります。。Windows上で動作する運用管理ソフトウェアや任意のWindows用のアプリケーション、バッチプログラムなどからこのツールを起動することによってA−VXやオフコンのシャットダウンを行えます。

2.3 クライアント監視による電源投入/切断

端末(PC/WSエミュレータ含む)のパワーオンやネットワークからのサーバ資源へのアクセスによりサーバの電源の投入を行います。

サーバに接続されているすべての端末が操作終了しパワーオフ状態(ただしシステムステーションは操作開始コマンド入力待ちでも可)、かつ全ジョブプログラムが終了していれば、自動的にサーバをシャットダウンし電源を切断します。

Windowsシステム配下のネットワークを監視して電源切断を行うこともできます(監視対象:LANマネージャ、TCP/IPユーティリティ)。

自動的にどのオフコンでもそうなるわけではなく、自動的に電源投入/切断できるようにするためにはクライアント監視のためのハードウェアとそのための設定が必要です。

2.4 回線監視による電源投入/切断

通信回線上のCD/CI信号がオン状態になったことを検出してサーバの電源を自動的に投入します。例えばモデムへの着信を検出してサーバの電源を入れるなどができます。

通信回線の信号が設定時間以上オフになった場合、あるいは通信データが設定時間以上途絶えた場合にサーバの電源の切断を行います。

自動的にどのオフコンでもそうなるわけではなく、自動的に電源投入/切断できるようにするためには回線監視のためのハードウェアとそのための設定が必要です。

3 自動電源制御機能と連動する各種機能

自動電源制御機能と連動して動くA−VXの機能がいくつかあります。

  • システム初期プログラム
  • システム終了プログラム
  • A−VXシャットダウン後のAP起動機能
  • WindowsAPからのシャットダウン機能
  • A−VXシャットダウン監視機能
  • 回線監視による電源投入/切断
  • 手動による電源投入/切断

システム初期プログラム、システム終了プログラム、A−VXシャットダウン後のAP起動機能の3つについては、「初期プログラムとシステム終了時に起動するプログラム」のところで説明しましたのでそちらを参照してください。

残りのものについて簡単に説明します。

3.1 WindowsAPからのシャットダウン機能

Windows側のアプリケーションからA−VXのシャットダウンやオフコン自体のシャットダウン/電源断を行う機能です。APはアプリケーションプログラムの略だと思います。たぶん。

Windows上で動作する運用管理ソフトウェアや自作のアプリケーション、バッチなどからA−VXのシャットダウンを行うためのものです。

A−VXはWindows上で動く仮想環境上で動いています。
A−VX上でいろいろなジョブが動いていたりするので、いきなりWindowsをシャットダウンすると危険です。A−VXから見るといきなりシステムが落ちた、のように見えます。ファイルが壊れたりする可能性があります。
そこでWindows側でオフコンの運用を行う場合、運用管理ソフトからこの機能を呼び出してA−VXの終了処理を行って終了させてから、オフコンの電源を切ったり再起動させたりします。

運用管理ソフトウェアというのはJP1とかSenjuとかそういうものを想定しているのだと思います。

3.2 A−VXシャットダウン監視機能

次のような機能があるようです。

機能名概 要
A-VXシャットダウン監視機能何らかの要因でA-VXのシャットダウン処理が進まなくなった場合に、その要因となっているジョブを強制終了してシャットダウン処理を先に進めたり、A-VXシャットダウン処理そのものを強制的に終了する機能。
A-VXシャットダウン進捗表示機能A-VXシャットダウンの処理状況をサーバコンソールに表示する機能
A-VXシャットダウン異常終了通知機能サーバの電源投入によるA-VX起動時に、サーバコンソールに前回のA-VXシャットダウンで発生した異常の内容を表示する機能

システム3100シリーズやシステム7200シリーズの頃は、APCU/APCU-II/AOSP、Express5800/700シリーズにはAOSP/APCU−IIIというハードウェアが付いていて、これで電源制御を行っていました。
例外として、廉価版である下位モデルにはこういった装置が付いていないこともあります。
一部の足りない機能を実現するためだけに、APCU−IVというハードウェアが存在します。
システム7200シリーズは、拡張システムコマンドから行っていました。
条件がはっきりしないのですが、Windows側でアプリケーションが動いていたりすると、切断されないみたいです。
1990年代ぐらい昔から、ということです。