A−VX/NETとは
- 1 A−VX/NETとは
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NECのオフコン同士をつなげる仕組みとして、A−VX/NETというものがあります。A−VX/NETは大きく3つの機能があります。
- 仮想リモートワークステーション(VWS:Virtual WorkStation)
- 遠隔ファイルアクセス(RFA:Remote File Access)
- リモートプリンタ(RPR:Remote PRinter)
それぞれワークステーション(端末)、その他のファイル処理機能、NECオフコンのプリンタのところで既に説明済みです。
もう一度ここでも概要を説明します。ちなみにA−VX/NETの前(大昔)はITOS/NETと呼ばれていました。
- 1.1 仮想リモートワークステーション(VWS)
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あるオフコンの端末が別のオフコンの端末にもなるというものです。
Windowsでいうとリモートデスクトップに相当するのでしょうか。例えば北海道支社にあるオフコンの端末を使って、あたかも東京本社にあるオフコンに直接つながっている端末であるかのよう使えるということです。
ただ違うのは、端末から直接オフコンにつなげるのではなく、別のオフコンを経由して、オフコンにつなげる、という面倒なことをします。
先の例で説明すると、北海道支社の端末を東京本社のオフコンにつなげるのではなくて、「北海道支社の端末 → 北海道支社のオフコン → 東京本社のオフコン」、と間に北海道支社のオフコンを介するようにします。 ちょっと考えるといちいちオフコンを介するより、「北海道支社の端末→東京本社のオフコン」のように、直接つなげた方が簡単じゃないの?という話もありますが、オフコンのいろいろな機能と組み合わせることによっていろいろなことができるようになります。 - 1.2 遠隔ファイルアクセス(RFA)
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あるオフコンから別のオフコンに入っているファイルにアクセスできるようにするものです。
Windowsのネットワークドライブと同じようなものだと思ってください。Windowsではネットワークドライブで、他のサーバのハードディスクにあるファイルをエクスプローラーで見たり、ワードやエクセルで開いたりできます。
NECのオフコンも遠隔ファイルアクセス機能というものを使って、他のNECのオフコンのハードディスクにあるファイルを#ABCで見たり、ユーザプログラムで開いたり実行したりできます。
例えば、インターネットを介して東京本社から北海道支社のサーバのファイルにアクセスするということもできます。(東京本社のMSD001に入っているファイルのデータを北海道支社のMSD002のファイルにコピーしたりといったことができます。)
- 1.3 リモートプリンタ(RPR)
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あるオフコンから別のオフコンに繋がっているプリンタに印刷することができます。
北海道支社のサーバから東京本社のサーバに繋がっているプリンタに印刷するということもできます。リモートプリンタは800番台(「PRN801」「PRN802」・・・)です。2台以上のオフコンがある場合に、あるオフコンから別のオフコンに繋がっているプリンタを指定するときに使います。リモートプリンタは、例えば本社のオフコンと支社のオフコンがあって、この2台がネットワークで繋がっている場合、支社のオフコンの端末から本社にあるプリンタに印刷するというような感じで使うようなときに使用します。当然SGで設定されていないのに、いきなり「PRN800」とか指定してもエラーになるだけです。
リモートプリンタには、即時転送モードと一括転送モードという2種類の転送方法があります。即時転送モードはプログラムからの印字データを直接他のオフコンのスプールファイルに転送する方法です。一括転送モードはプログラムからの印字データを一度自分のオフコンのスプールファイルに出力して、スプール転送プログラム(#RWRIT)で他のオフコンのスプールファイルに転送する方法です。
- 1.4 複数のA−VX/NETの機能を組み合わせる
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当然、A−VX/NETの機能を単独で使うこともできます。単独でも十分使えます。
例えば、商品マスタが最新に更新されたとき、本社の人がRFAを使って各支社のオフコンの商品マスタにコピーすることができます。毎朝前日売り上げの集計結果を印刷するバッチを組んで、支社のオフコンから本社のオフコンにつながっているプリンタに集計表を印刷する、ということもできます。
A−VX/NETの機能を組み合わせて使うこともできます。
例えば、本社の人が北海道支社のオフコン上でバッチを実行したいとします。VWSを使用して、本社のオフコン経由で北海道支社のオフコンに端末をつなげます。
北海道支社のオフコンの端末になったので、北海道支社のオフコン上でバッチを実行できるようになります。
そのバッチは月初処理のバッチで、月末処理で集計されたファイルを本社のオフコンのハードディスクにコピーして、その後いろいろなファイルを初期状態にするようなバッチとしましょうか。そのときは、RFAを使用して、北海道支社から本社のファイルをアクセスできるようにします。バッチを実行すると、北海道支社のオフコンから前月月末処理の集計結果のファイルを本社にコピーし、最新の商品マスタなどのマスタファイルを本社のオフコンから北海道支社のオフコンにコピーしたり、集計結果ファイルを初期化したり、といった処理を行います。
最後にバッチの実行ログをプリンタで印刷したいとします。通常だと北海道支社のオフコンを操作しているので、そのまま印刷すると北海道支社のオフコンにつながっているプリンタに印刷されます。そうなると北海道支社の人に頼んで印刷用紙を本社まで宅配便で送ってもらったり、FAXで送ってもらったりと手間がかかります。
RPRを利用すると、北海道支社のオフコンから本社のプリンタに印刷できます。(本社のプリンタは本社のオフコンにつながっています。)バッチに本社のプリンタに印刷するようにしておけば、本社で作業している人の隣にあるプリンタがカタカタと動き出して、すぐに印刷結果をみることができるようになります。それからNECの公式の説明書の本文には「VWSとRFAは同一回線上で使用できない」とやたらと注意書きが書いてありますが、説明書の後ろの方の注意事項にさらっと追記されているように、INSネット等の回線交換タイプであったり動的環境設定(TCP/IP)だったりする場合は普通に混在できます。