ネットワーク
- １ ２つのＯＳ
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オフコンはスタンドアロンとして単独で使うこともできますが、通常はネットワークで他のオフコンやサーバ、パソコン、その他のいろいろな装置とつながっています。
ＮＥＣのオフコンは（３０年以上前のオフコンは別として）Ａ−ＶＸというオフコン固有のＯＳとＷｉｎｄｏｗｓの２つのＯＳが同時に動きます。
Ｗｉｎｄｏｗｓ側については、普通のＷｉｎｄｏｗｓと同じです。インターネットに接続してブラウザでサイトを見る、メールを送受信する、ファイルをダウンロードする、Ｗｅｂサイトを構築する、何でもできます。こっち側のネットワーク関連については皆さんも（たぶん皆さんの方が）よくご存じですので、ここでは書きません。
- Ｗｉｎｄｏｗｓ側のネットワーク
- Ａ−ＶＸ側のネットワーク
ここではＡ−ＶＸ側のネットワーク・データ通信関連について簡単に説明します。
- ２ Ａ−ＶＸのネットワーク
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ＮＥＣのオフコンも一種のサーバなので、複数のコンピュータをつなげてネットワークを組むことができます。
Ａ−ＶＸ同士はもちろんＵＮＩＸ、ＬｉｎｕｘやＷｉｎｄｏｗｓ相手に繋ぐこともできます。ＮＥＣのオフコンはとても昔からあるので、はるか昔に存在した、昔の人にとっては懐かしい、今の人は聞いたことにないようなような手順・通信方式の話が出てきたりします。一方、今のインターネットに接続するようなネットワークも構築することができます。
昔の通信方式などはＮＥＣの説明書上には載っているものの、実際はもう使えないというものもたくさんあります。
- ３ ２種類の通信管理
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Ａ−ＶＸのＯＳは内部ではいくつものコンポーネントに分かれています。ジョブの実行を制御するジョブ管理、ファイルを管理するファイル管理、周辺装置との入出力を制御するデータ管理、メモリを管理するメモリ管理、などです。通信を管理しているコンポーネントはメッセージ管理と呼ばれています。
このメッセージ管理は、アプリケーションからのデータ送信要求を受けて適切な相手先を選択して送信、逆にデータ受信した場合はアプリケーションのデータ受信要求を受けてデータをアプリケーションに渡します。また送信するデータや受信したデータを一時保存も行います。
アプリケーションを作るプログラマやアプリケーション利用者が回線制御などの煩雑な処理手続きを意識しなくてもよいようにするためのものがメッセージ管理です。送信したり受信したりするデータのことをメッセージといいます。メッセージを管理するコンポーネントなので、メッセージ管理といいます。
Ａ−ＶＸのメッセージ管理のコンポーネントはさらに細かく２種類に分けられます。
メッセージ管理３とメッセージ管理Ｓの２種類です。メッセージ管理３は旧来のベーシック系手順やハイレベル系手順、メッセージ管理Ｓはソケット通信、つまりＴＣＰ／ＩＰを使う通信と分担しています。
ちなみにメッセージ管理３の「３」は、とーーーっても昔にベーシック手順系のメッセージ管理１とハイレベル手順系のメッセージ管理２というものがあって、後にその２つが統合されて「１ ＋ ２＝３」で「３」になったとのことです。メッセージ管理Ｓの「Ｓ」はソケットのＳでしょうね。昔にはメッセージ管理５（正確にはローマ数字の�后廚箸いΔ發里�ありました。（メッセージ管理５はサーバ機構（ＳＥＰ）というハードウェアで動きます。）その一部の機能（ＴＣＰ／ＩＰ手順）を取り出したものがメッセージ管理Ｓです。
- ４ メッセージ管理３
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メッセージ管理３（Message management3：略してＭＭ３ともいいます）は、Ａ−ＶＸのコンポーネントの一つで、通信アプリケーションからのデータ送信（Data Send）・データ受信（Data Recieve）の要求を処理します。
多種類の回線や通信手順をサポートしており、オフコン・サーバや各種機器との通信を実現します。（ただしＡ−ＶＸのバージョンによりサポートしていないものもあります。）- 4.1 通信回線
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メッセージ管理３がサポートしている通信回線は以下の通りです。
- 装置直結回線
- 専用線
- 広域網（ＷＡＮ）・・・公衆回線、ＩＳＤＮ（ＩＮＳ−Ｃ）
- パケット網・・・ＤＤＸ−Ｐ、ＩＳＤＮ（ＩＮＳ−Ｐ）
- ＬＡＮ
ＬＡＮと書いてありますが、メッセージ管理３はＴＣＰ／ＩＰをサポートしていないため、インターネットへの接続はできません。（ＴＣＰ／ＩＰはメッセージ管理Ｓが担当）
- 4.2 伝送制御手順
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さまざまな伝送制御手順をサポートしています。
ベーシック系手順（無手順含む）
- ＮＥＣレベル０ （調歩式、無手順）
- ＮＥＣレベル２Ａクラス２ （調歩式、コンテンション）
- ＮＥＣレベル２Ｂクラス２ （同期式、コンテンション）
- ＮＥＣレベル２Ａクラス３従局 （調歩式、ポーリング従局）
- ＮＥＣレベル２Ａクラス３主局 （調歩式、ポーリング主局）
- ＮＥＣレベル２Ｂクラス３従局 （同期式、ポーリング従局）
- ＮＥＣレベル２Ｂクラス３主局 （同期式、ポーリング主局）
- ＢＳＣコンテンション （同期式、コンテンション）
- ＢＳＣポーリング従局 （同期式、ポーリング従局）
- ＢＳＣポーリング主局 （同期式、ポーリング主局）
- ＤＴ−９６１１（ＤＲＥＳＳ） （同期式、コンテンション）
- ＤＴ−１２１１（ＤＲＥＳＳ） （調歩式、コンテンション）
ハイレベル系手順
- ＮＥＣレベル４ ＨＤＬＣ／ＤＩＮＡ （ＮＲＭ、ＡＢＭ）
- ＳＤＬＣ／ＳＮＡ （ＮＲＭ）
- Ｂ４６７０／ＥＴＯＳ２次局
- Ｂ４６７０／ＥＴＯＳ１次局
- Ｂ４６７０ステーション間通信
- Ｂ４６７０ Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ
- Ｂ４６８０ Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ
- 4.3 アプリケーション
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ネットワークを使用するためのアプリケーションは、既製のアプリケーション／ユーティリティを使う方法とＣＯＢＯＬなどを使って自分でアプリケーションを作る方法の２種類があります。
既製のアプリケーションはたくさんありますが、代表的なアプリケーション／ユーティリティとしては以下のようなものがあります。（ＮＥＣのマニュアルに書いてあるのをまとめましたが、ほとんど古いものですね。）ベーシック系手順
- ＢＦＴ（バッチファイル転送用）
- ＧＴＯＳ５２Ｇ（ＥＴＯＳ５２Ｇエミュレータ
- ３７４０エミュレータ（ＩＢＭ社３７４０のエミュレータ）
- ３７８０エミュレータ（ＩＢＭ社３７８０のエミュレータ）
- ３２７０エミュレータ（ＩＢＭ社３２７０のエミュレータ）
- ファイル転送プログラム（ＪＣＡ手順）
- 集配信ホストシステム（ＪＣＡ手順）
- ファイル転送プログラム（全銀協手順）
- 集配信ホストシステム（全銀協手順）
- Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ 仮想リモートワーク（リモートワークステーション）
- Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ 遠隔ファイルアクセス
ＨＤＬＣ／ＳＤＬＣ手順
- ＧＴＯＳ５２Ｇ ＤＩＮＡ（ＥＴＯＳ５２ＧＤエミュレータ）
- ＧＴＯＳ５２ＧＤＣ（ＥＴＯＳ５２ＧＤエミュレータ）
- ＧＴＯＳ５２Ｇ ＤＩＮＡ（Ｎ６３００／５５ ＥＴＯＳ５２ＧＢのエミュレータ）
- ３２７０ＳＮＡエミュレータ（ＩＢＭ社３２７０のエミュレータ）
- ３７７０エミュレータ（ＩＢＭ社３７７０のエミュレータ）
- ３２７０ＫＳＣ（ＩＢＭ社３２７０のエミュレータ）
- ６６５０ＳＣ（富士通６６５０のエミュレータ）
- ファイル転送プログラム（ＨＢＦＴ）
- ＥＧＧＥＮ
- ＶＩＡＬＡＮ２
- ＴＱＦＴＯＯＬ
- ＩＤＬＴＯＯＬ／Ｓ
- ＳＯＦＰＩＡ ＰＷＢ／ＤＤＡ
- ＳＯＦＰＯＲＴ
- Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ 仮想リモートワーク（リモートワークステーション）
- Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ 遠隔ファイルアクセス
- ５ メッセージ管理３の接続形態
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（１）直結接続
実際にコンピュータ通信を行い場合では、直結接続が最もシンプルです。
直結接続とは、通信網を介さずにケーブル（クロスケーブル）だけで接続してしまう形態をいいます。この形態では主に無手順での通信となります。
（２）専用線 専用線を使用する場合は、ケーブルの他にモデムの存在を考慮する必要があります。
（３）公衆回線、ＩＳＤＮ、パケット
公衆回線とＩＳＤＮではアナログとデジタルの違いやモデムとＴＡの違いがありますが、オフコン側から見れば基本は同じ扱いです。
（４）ＬＡＮ回線
ＮＥＣの製品としては、Ｅｔｈｅｒｎｅｔ（Ｂ４６８０）などがあります。メッセージ管理３ではＴＣＰ／ＩＰは使用できません。
- ５ メッセージ管理Ｓ
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メッセージ管理Ｓ（Message management S：略してＭＭＳともいいます）は、Ａ−ＶＸのコンポーネントの一つです。
メッセージ管理のうちの、ＴＣＰ／ＩＰ手順での通信を担っています。
ネットワークを使用するためのアプリケーションは、既製のアプリケーション／ユーティリティを使う方法とＣＯＢＯＬなどを使って自分でアプリケーションを作る方法の２種類があります。
主な既製のアプリケーション／ユーティリティとしては以下のようなものがあります。
- Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ 仮想リモートワーク（リモートワークステーション）
- Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ 遠隔ファイルアクセス
- ＦＴＰサーバ
- ＦＴＰクラアイント
- ＲＤＢサーバ（ＴＣＰ／ＩＰ）
- Ｂ４６７０ Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ
- Ｂ４６８０ Ａ−ＶＸ／ＮＥＴ
- Ｔ−Ｌｉｎｋ
- ＰＣ／ファイル転送ユーティリティ
- ６ メッセージ管理の使用場面
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メッセージ管理がどのような場面で使われるか、いくつかの例を挙げます。
（１）ホストの端末制御装置や端末装置
ＡＣＯＳやＩＢＭなどのメインフレームの端末制御装置として使用します。つまりメインフレームと端末の中間に立って、端末の制御を司ります。また端末としても使用されます。最近はこのような使い方はほとんど行われていません。
（２）データ収集
通信回線で接続されている装置（ＰＯＳ、ＰＯＴなど）からのデータを収集し、ファイルに保存します。例えば、端末から売り上げ情報を収集し売上ファイルに登録するといった用途があります。
（３）ファイル転送、ファイル収集
複数拠点で管理しているファイルを中央拠点が収集する。またはマスタファイルを各拠点に配信する、といった形態です。
- ７ Ａ−ＶＸとＷｉｎｄｏｗｓ
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他のサーバ（ＷｉｎｄｏｗｓやＬｉｎｕｘ、ＵＮＩＸ含む）やＰＣとデータのやり取りをする場合、ＮＥＣのオフコンはＡ−ＶＸとＷｉｎｄｏｗｓの２種類のＯＳが動いていることを考慮に入れましょう。
例えば、オフコンのファイルを他のサーバ（Ｗｉｎｄｏｗｓサーバ etc.）に送ることを考えてみます。ＮＥＣのオフコンにもｆｔｐサーバやｆｔｐクライアントがあります。これらのアプリケーションをＡ−ＶＸにインストールして、ｆｔｐでファイルを送受信することも考えられます。一方Ｗｉｎｄｏｗｓのｆｔｐを使う案もあります。ＮＥＣのオフコン内でＡ−ＶＸ側からＷｉｎｄｏｗｓ側にファイルをコピーして、後は普通のＷｉｎｄｏｗｓのファイルとして別のＷｉｎｄｏｗｓサーバに送ることもできます。Ｗｉｎｄｏｗｓに落としてしまえば、Ｗｅｂサーバからダウンロードさせることもできるし、ネットワークドライブを介して受け渡しすることもできるかもしれません。メール添付で送る案もあります。２つのＯＳが載っているので、１つのことを実現するのにいろいろな方法が考えられます。
