ワークステーション(端末) その1
- 1 ワークステーション(端末)とは
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今までNECの公式のマニュアル「データ管理説明書」でワークステーションと説明しているものを端末と書いてきました。それなので今後もワークステーションのことを端末と書いて説明します。(だいたいNECのマニュアルもワークステーションとかWSとか端末とか用語が統一されていないです。)
NECのオフコンは基本的に、端末からオフコン本体に接続して操作します。端末もいろいろな種類があり、専用の端末からPC/WSエミュレータと呼ばれるターミナルソフトまで様々です。
NECのオフコンは1970年代から続いているので、その間にいろいろなものを端末として使用してきました。互換性を重視しているので、もしこれらの端末が存在するのならば2010年代のA-VX02でも使用できます。
NECのオフコンにつながるいろいろな端末を一覧にしてみました。表の上の方は専用の端末装置であったり、小型のオフコンだったり、ハードウェア、装置類です。何十年も前のものもありますが、壊れていなければ今もつなげて使えます。
下半分のxxエミュレータとなっているようなものはパソコン上で動くソフトウェアです。A−VX02の基本の端末はPC/WSエミュレータ(32)です。
端末の種類 主な機種 説 明 Pure-WS 専用ワークステーション
N8シリーズ
S3100/10,20シリーズ
S7100/10シリーズとても古いタイプ。オフコンに接続する専用の端末装置でそれだけしかできない。端末ソフトはROMに書き込まれているか、端末の電源を付けたときに自動的にDLLでオフコン本体からダウンロードされる。 OAWS N8シリーズ
S3100/10,20シリーズ
S7100/10シリーズ
OP-98
(いずれもハードディスク付き)これも古いタイプ。小型のオフコンを端末として使う。ハードディスクに端末ソフトが入っていて、それを使って接続する。モードを切り替えることで、オフコン用のワープロや表計算ソフトが使えたり、独立して小型のオフコンとして使えたりする。 SEP-OAWS N8シリーズ
S3100/10,20シリーズ
S7100/10シリーズ
OP-98これも古いタイプ。サーバ拡張機構という装置を経由してオフコンに接続する。小型のオフコンを端末として使う。モードを切り替えることで、オフコン用のワープロや表計算ソフトが使えたり、独立して小型のオフコンとして使えたりする。ソフト類は必要に応じてサーバ拡張機構からDLLされるので、端末側に端末ソフトやワープロ等が入っていなくてもいい。さらにSIF接続とB4680接続の2種類に分かれる。 WS支援SW-GX S7100/10GX、10AX これも古いタイプ。WS支援SW-GXというソフトとサーバ拡張機構、S7100/10GX、S7100/10AXという端末の組み合わせのみで可能。端末の電源を付けると端末ソフトがサーバ拡張機構からDLLされる EWS/WSエミュレータ EWS5800 これも古いタイプ。昔NECが出していたEWS5800シリーズというUNIXワークステーションからオフコンに接続するためのソフト。 PC/WSエミュレータ(B4680) PC-98/PC98-NXシリーズ
OP-98シリーズ
N5200シリーズこれも古いタイプ。パソコンからB4680回線(つまり今のLAN)経由で接続するためのソフト。 PC/WSエミュレータ(WINDOWS) PC-98/PC98-NXシリーズ
OP-98シリーズ
N5200/モデル98シリーズ
WindowsパソコンWindowsパソコンからオフコンに接続するためのソフト。16ビットのソフトなのでWindows3.1などでも動く。一応Windows2003ServerやWindowsXP辺りは動いていたので、今のWindowsでも動くのではないかと思う。 PC/WSエミュレータ(32) PC-98/PC98-NXシリーズ
OP-98シリーズ
WindowsパソコンWindowsパソコンからオフコンに接続するためのソフト。32ビット版のソフト。今現役の端末エミュレータソフト。 WSエミュレータ for WEB(ActiveX版) Webブラウザ Webブラウザ上から端末操作を行うためのソフト。Webブラウザで接続すれば使えるので、クライアント側にソフトのインストールは必要なし。私はデモで見た程度だが、動きはWebブラウザとネットワーク次第で、基本もっさりした動きで、サクサク入力とはいかない雰囲気。出先で緊急的に使うとか、PC/WSエミュレータの入っていないパソコンでときどき使うような場合に使うのかも。 WSエミュレータ(TS版) Windowsパソコン Windowsのターミナルサービス(TS)やリモートデスクトップサービス(RDS)、Cirtix XenApp(MetaFrame)が動作するアプリケーションサーバにインストールして使用します。サーバ側でWSエミュレータを一括管理できるのが利点。 画面サイズは、縦25行×横80文字、そのうち1行はシステムで使用するため、実際は縦24行×横80文字の合計1920文字。(昔は一部縦26行×横80文字の26行タイプと呼ばれるものもあった。)
昔はカラーの画面の他に緑色のモノクロの画面と白色のモノクロの画面のものがありました。モノクロの画面の場合はカラー指定すると輝度が変わりました。
昔は1120×780ドットのグラフィック表示ができる端末がありました。PRISMグラフ作成ユーティリティなどを使って画面上に棒グラフや折れ線グラフ表示ができました。PC/WSエミュレータではこのグラフ機能が削除されたため、使えなくなりました。
- 2 端末に接続可能な入出力機器
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端末のイメージといえば、ディスプレイとキーボード、それにプリンタがつながっているというものですが、場合によってはそれ以外のものもつながることもあります。NECのオフコンの端末にも結構いろいろとつながるのですが、NECの説明書には次のようなものが例として挙げられています。
- ハンディスキャナ、ペンスキャナ、バーコードリーダー
- IDカードリーダー
- 多機能電話機(ATS)
- ハンディターミナル(POT)
- タッチキーボード
- A−VXキーボード
補足しておくと、ハンディターミナルはよくレストランなどで接客の人が注文を受けたときに手元で操作する小型の機械、タッチキーボードは1980年代後半に流行った(今のタブレット端末みたいな使い方の)入力装置です。
どの会社のどの機種でもつながるわけではなく、NECが「オフコンにつながることを保証」した一覧に載っているものだけがつながります。一覧に載ってなくても実際繋げたら使えるんじゃないかと思うかもしれませんが、私の経験上は使えないことが多いです。
おまけにNECの説明書に載っているこれらのほとんどのものは、はるか昔に廃盤になって販売終了になったものがほとんどですし、繋がる端末も昔の専用端末のみだったり、PC/WSエミュレータで使えるかと思ったら対応しているハードウェアが昔のパソコンPC-9801シリーズだけだったりします。
NECの説明書に載っているもののうち、比較的最近まで使えたのはIDカードリーダーとハンディターミナル(POT)、A−VX02でも使えるのはA−VXキーボードのみです。
上で使えないことが多いです、と書きましたが、工夫次第でときどきは使えることもあります。
今の端末自体は普通のWindowsパソコンなので、市販でパソコンにつながるような周辺装置はたくさんあります。NEC非推奨ですが、そういった周辺装置をつなげて検証して使うという案はあります。個人的な経験ですが、以前に、「パソコンからはUSBキーボードとして認識」されるUSB接続のバーコードリーダーを使ったことはあります。これはPC/WSエミュレータからただのキーボード入力とみなされたので使えたようです。専用のドライバを入れないといけないとかPC/WSエミュレータが認識しないような特殊なものはたいてい使えません。 - 3 仮想リモートワークステーション(VWS)
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仮想リモートワークステーション機能とは、複数台のオフコンが回線接続されている環境で、あるオフコンに接続している端末を別のオフコンの端末として使用する機能です。例えば北海道支社にあるオフコンの端末を使って、あたかも東京本社にあるオフコンに直接つながっている端末であるかのよう使えるということです。
北海道支社の端末を東京本社のオフコンにつなげるのではなくて、北海道支社の端末 → 北海道支社のオフコン → 東京本社のオフコン、と間に北海道支社のオフコンを介するようにします。 ちょっと考えるといちいちオフコンを介するより、直接つなげた方が簡単じゃないの?という話もありますが、オフコンのいろいろな機能と組み合わせることによっていろいろなことができるようになります。 仮想リモートワークステーション機能は、A−VX/NETの機能の1つです。 - 4 システムステーション
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A−VXには複数の端末を接続できます。その中に1つだけ特別な端末が用意されています。それがシステムステーションと呼ばれる端末です。
システムステーションは他より”偉い”端末で、その端末だけでしかできないことがいくつかあります。
システムステーションだけで使える拡張システムコマンドがある、システムステーションでシステム初期プログラムが起動される、などです。
通常はA−VXの仮想環境を動かしているサーバで起動するPC/WSエミュレータをSTN000にしてそれをシステムステーションにします。もちろん任意のパソコン上のPC/WSエミュレータをSTN000にすることもできるし、STN000以外をシステムステーションにすることもできるのですが、運用が面倒になるだけなので通常はしません。
オフコンがNEC製の専用HWだった時代(昭和の頃ですね・・・)は最初にシステムステーションを起動する必要があったのですが、仮想環境になって以降はその制限はなくなりました。
- 5 コンソールWS
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元々はシステムステーションとほぼ同意味でした。
オフコンを操作するときは、端末からオフコンに接続して操作します。パソコンならパソコンのPC/WSエミュレータからオフコンに接続することになります。
オフコンもWindowsが動きます。Windowsサーバーでもあります。通常はA−VXの仮想環境を動かしているサーバで起動するPC/WSエミュレータをコンソールWSといいます。
通常は、コンソールWS=システムステーション=STN000です。