ファイルの割当、拡張／追加、解放、削除
- １ Ａ−ＶＸのファイル
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ファイルにデータを書き込む前に、ファイルの領域確保が必要です。ここがＷｉｎｄｏｗｓのファイルの使い方とは違います。Ａ−ＶＸのファイルは、まずどのような編成のファイルをどの磁気ディスク上に何という名前で何セクタ分作るのかという情報の設定を行う必要があります。つまりあらかじめ「ハードディスクにｘｘバイト分、Ａという名前のファイル用に場所を予約します」と宣言することです。それから、そのファイルに対して書き込んだり読み込んだりできるようになります。
Ｗｉｎｄｏｗｓとかは、ファイルを書き込む前にハードディスクにファイル格納用の場所を予約する作業は必要はないですよね。例えばワードで文書を作成する前に、「今から書く文書はファイルにすると１０００バイト分だから、ハードディスク上に１０００バイト分書き込めるようにあらかじめ予約しておかなくっちゃね。」なんて作業はないと思います。なんとなくワードで文書を書いて、ファイルの保存するボタンをクリックすれば適当にハードディスクに文書ファイルができてしまう。
Ａ−ＶＸは、初めてファイルに書き込む場合は、書き込む前に「えーと、これから書くファイルは、最大で１０００バイトになるから、ハードディスク上に１０００バイト分の場所を予約しなきゃ。」と言って、予約する作業が必要になります。これが領域確保です。
領域確保するとＦＤＦと呼ばれる領域（実際はSYS@FDFという名前のファイル）にファイルの情報が書き込まれます。最初に一度領域確保（予約）しておけば、そのサイズの範囲内で自由に読み書きできます。
あえて言うなら、ワードで最初に文書を保存するときは「名前を付けて保存」でファイル名を決めたりしますが、２回目以降は「上書き保存」で自由に書きこめます。ワードの「名前を付けて保存」がＡ−ＶＸのファイルの領域確保、後は「上書き保存」でどんどん書き込めるように、Ａ−ＶＸも領域確保（予約）した範囲でどんどん書き込める、というところが似ているといえば似ているでしょうか。
ファイルでもうひとつ書いておくことがあるとしたら、ブロック化レコードについてです。いくつかのレコードをまとめて１つのブロックにすることができます。例えば、１レコード８０バイトのレコードを３つまとめて２４０バイトのブロックにすることができます。この場合、レコード長８０バイト、ブロック化係数３、ブロック長２４０バイトとなります。
Ａ−ＶＸのファイル管理上の仕様の関係でファイルを作成する時に気をつけることがあります。ブロック長を２５６の倍数か、それよりちょっと少ない値にするとちょっとお得です。例えば、レコード長８０バイトのファイルがあったときに、ブロック化係数２にするとブロック長は１６０バイト、ブロック化係数３にするとブロック長は２４０バイトになります。１６０バイトと２４０バイトのうち、どちらが２５６の倍数に近いかを考えるとブロック化係数３のブロック長２４０バイトの方が近い値になります。従ってブロック化係数３を選択するべきです。 どうして２５６の倍数にすると良いのかは、少し難しい話になるので省略しますが、常にＡ−ＶＸのブロックはセクタの先頭から開始しているということと関係します。
- ２ ファイルの割り当て
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ファイルを作ることをＡ−ＶＸでは割り当て（アロケート）といいます。 ファイルの割り当てには、エクステントという単位を使います。
エクステントの最大サイズは２種類あります。１つは従来形式ファイルと呼ばれるもので１エクステントは最大65,535セクタの連続した領域です。もう１つが大容量形式ファイルと呼ばれるもので最大1,048,575セクタです。従来形式ファイルは古いタイプのものでアロケータ（#ALLOC）などで作ることができます。大容量形式ファイルは今のタイプのもので簡易操作ユーティリティ（#ABC）などで作ることができます。 後に述べるように、通常は順編成ファイルは最大４エクステント作ることができるので、最大のファイルサイズは 1,048,575×４ セクタとなります。
上の画面は＃ＡＢＣでファイルの一覧表を表示したものです。
DATA11はハードディスクの7136セクタから7385セクタまでの250セクタ分のエクステントが１つ、つまりファイルサイズは250セクタです。
DATA04は5248セクタから5397セクタまでの150セクタの150セクタ分のエクステント、40448セクタから40947セクタまでの500セクタ分のエクステントの合計２つのエクステントで構成されており、ファイルサイズは150＋500の650セクタです。
DATA05は３エクステントでファイルサイズは800セクタです。ファイルの割り当てには、ファイル仕様だけをＦＤＦ（SYS@FDF）に登録しておき、ジョブ実行時に動的に領域確保する方法と、ファイルの仕様と領域確保を同時に行う行う静的な方法の２種類があります。
ＦＤＦに登録するファイル仕様とは、ファイル名やファイル編成の種類、ファイルサイズ、属性などです。ハードディスク上に場所だけ確保していない状態です。
上のファイル一覧の画面を見てください。
静的にアロケートしたファイルはDATA04やDATA06のように（FROM）（TO）（SCNT）開始アドレス、終了アドレスとファイルサイズが入っています。のDATA08やSYS@LMLといった名前のファイルは（FROM）と（TO）が********となっていますが、これがＦＤＦにファイル仕様登録したファイルです。ファイル仕様は登録したので、ファイルサイズは入っています。ハードディスクに領域確保はしていないので、アドレス部分は*印になっています。ジョブ実行時に動的に領域確保するとそのアドレスが入ります。 - ３ ファイルの拡張、追加と未使用領域の解放
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ファイルを使っているうちに、ファイル作成時に確保したファイルサイズでは足りなくなってしまうこともあります。
例えば、1000セクタぐらい使うかなと思ってファイルを作ったものの、使っているうちでデータが増えてきてそのサイズでは足りなくなる、ということもあり得ます。このような場合は、ファイルの「エクステントの拡張」または「エクステントの追加」という手段でファイルサイズを増やすことができます。
一方、ファイルサイズを縮小したいこともあります。
例えば、10000セクタのファイルを作ったものの、実際は2,3セクタぐらいしか使用しておらず、100セクタぐらいにファイルサイズを小さくしたい、という場合です。- 3.1 エクステントの拡張（静的拡張）
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ファイルサイズを増やしたいときに、エクステントを拡張して増やすという案があります。
下の図は、「エクステントの拡張」の方法でファイルＢのファイルサイズを大きくした場合のイメージです。
ファイルＢの後ろの領域に空き領域があります。この空き領域をエクステントを拡張することによって、ファイルＢの領域にします。するとファイルサイズが大きくなって、データがもっと入るようになります。
この「エクステントの拡張」はすでにあるデータには影響ありません。ファイルＢにすでに入っているデータが消えることはありません。
「エクステントの拡張」は１つ問題があって、ファイルの後ろに空き領域がないと拡張できません。
このときは簡易操作ユーティリティ（＃ＡＢＣ）などのユーティリティを使って、ボリューム再編成を行って、ファイルＢの後ろに空き領域を移動させてから、「エクステントの拡張」を行います。
ファイルが複数のエクステントで構成されている場合は、最後のエクステントが拡張されます。例えば４つエクステントがあって、１番目のエクステントが10セクタ、２番目が10セクタ、３番目が10セクタ、４番目が65,535セクタだとこれ以上はファイルサイズを大きくできません。
注意点として、ボリューム再編成は数時間かかり、その間は業務プログラムは実行できません。エクステントの拡張自体はファイルの後ろに空き領域があれば、１秒ぐらいで終わる作業です。
- 3.2 エクステントの追加（静的追加）
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ファイルサイズを増やしたいときに、エクステントを追加して増やすという案があります。「エクステントの追加」には静的追加と動的追加があり、ここでは静的追加について説明します。
下の図は、「エクステントの追加」の方法でファイルＢのファイルサイズを大きくした場合のイメージです。
どこかの適切な空き領域にファイルＢのエクステントを作ります。これだけでファイルサイズが大きくなります。ファイルの後ろに空き領域が必要というわけではありません。ファイルを使用するときは分かれているとか分かれていないとか区別する必要はなく、普通にひとつながりのファイルとして扱うことができます。
それじゃあ、「エクステントの追加」だけあればいいという話もありますが、欠点があります。「エクステントの追加」は回数制限があるということです。エクステントの数は決まっています。例えば順編成ファイルは４エクステントしかできません。最初ファイルを作ったときに１つエクステント使用したとしたら、残りは３エクステント、つまり３回までしか追加できません。
下の表は、磁気ディスク（ハードディスク）の場合の最大エクステント数です。索引順編成ファイルのエクステントは１つなので、追加はできませんし、ファイルサイズも最大65,535セクタとなります。
ファイル編成 最大エクステント数 順編成 ４ （８） 相対編成 ４ 索引順編成 １ 複数索引順編成（キー部） １ 複数索引順編成（データ部） ４ （８） ※カッコ内は別売り製品（拡張形式ファイルキット）の拡張形式ファイルシステムの場合です。
この「エクステントの追加」もすでにファイルに入っているデータには影響ありません。ファイルＢにすでに入っているデータが消えることはありません。エクステントの追加も１秒ぐらいで終わる作業です。
調子に乗ってエクステントの追加をしていると気が付いたら追加できる回数に達していたということもあり得ます。
エクステントの追加できないときはどうするか？�．侫．ぅ襪離如璽燭鬟丱奪�アップ→�▲侫．ぅ襪鬚い辰燭鷓鐔�→�Ｂ腓�いファイルサイズでもういちどファイルを作る→�ぅ丱奪�アップしたデータをファイルに戻す、という手順でファイルサイズを大きくします。 - 3.3 エクステントの追加（動的追加）
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エクステントの動的追加は、ファイルがオーバーフローしたら、上で説明した作業をシステムが自動的に行ってくれるというものです。ファイルのアロケート時に追加するエクステントのサイズを指定します。
自動的に追加してくれるのはありがたいのですが、エクステントの数に制限があることに注意が必要です。どんどん自動的に追加されて行って、いつの間にかこれ以上追加できないということになりかねません。きちんとファイル設計していればそのようなことにはならないと思いますが・・・。
下の画面は＃ＡＢＣでファイル一覧を表示したものです。DATA04の右のAUTOの列に500と書いてありますが、これは動的追加で500セクタ追加されることを表しています。
静的拡張と動的拡張を一つのファイルに対して混在することはできません。
- 3.4 ファイルの未使用スペースの解放
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割り当てられたファイルの領域が余った場合など、ファイルの使用していない領域を空きの領域に戻すことができます。（つまりファイルサイズを小さくする。）
ユーティリティを使用して静的に解放する方法と、プログラムを使ってファイルクローズ時に未使用スペースの解放を指定する動的に解放する方法の２種類があります。マニュアルによっては縮小（ＲＥＤＩＣＥ）と書かれていることもあります。
以前、エクステントの拡張、エクステントの追加でファイルサイズを増やしてみる記事を載せたことがあるので、下にそのリンクを載せます。
エクステントの追加でファイルサイズを増やす
・エクステントの追加（静的追加） エクステントの拡張でファイルサイズを増やす
・エクステントの拡張（静的拡張） - ４ ファイルの削除
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ファイルの削除方法として、ユーティリティを使用して削除する方法とプログラムにてファイルクローズ時に動的に削除する方法があります。ファイル削除時には満了日、保存形式などのチェックが行われます。
- ５ まとめ
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まとめると次の表のようになります。ハードディスクの場合です。
ファイル編成 アロケート 拡張 追加 解放（縮小） 削除 静的アロケート 動的アロケート ファイル仕様登録 プログラム指定 順編成 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 相対編成 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 索引順編成 ○ ○ ○ − − − ○ 複数索引順編成（キー部） ○ ○ − − − − ○ 複数索引順編成（データ部） ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
