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RUNコマンド

RUNコマンドの説明です。説明したように3つの種類があります
1 RUNコマンド(形式1)

RUNコマンドはプログラムを実行するためのコマンドで、RUNコマンド行に入力します。
RUNコマンドは上で説明したように3つの形式があります。ここではそのうちの形式1について説明します。

形式1のRUNコマンドは、ジョブ制御言語(JCL)の/RUN文とほぼ同じ形式で記述します。

JCLの/RUN文との違いは、RUNコマンドはRUNコマンド行に入力してプログラムを実行するものであるのに対し、JCLの/RUN文はジョブストリーム(JS)内に記述するものであるという点です。

RUNコマンド


run名 [,MOD={LAN/ITOS}] [,(P0,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8,P9)] [,TYP={LM/JS/PM}]

   [,RESTART] [,FIL=ファイル名] [,DEV=装置名] [,SIU=CRD[nnn]] [,PRI=nn]

   [,SIZ=nn] [,{SSWn={ON/OFF}/ALL[SSW]=a1a2a3a4a5a6a7a8}]

   [,ATTACH={MANUAL/AUTO}] [,SKIP] [,EXC=nnnn] [,DEBUG] [,ABORT] ;

run名

6文字以内の英数字で、実行するLM名、JS名、PM名またはLANシリーズのプログラム名を指定します。
JS名またはPM名が指定された時は、指定されたJSまたはパラメータセット(PS)がシステム入力装置(SYSIN)として使用され、その中からジョブ制御言語を読み込んでジョブを起動します。

必ず必要なパラメータです。

LANシリーズのプログラム名(LANxxxxx)は、’#xxxxx’と指定します。このプログラム名の’#’は’LAN’と解釈されます。LANシリーズとははるか昔にあったNECのオフコンのワープロや表計算ソフトなどのオフィスソフトのことです。

MOD

仮想ワークステーションにおいて、指定した動作モードに切り換えてrun名のプログラムを実行し、プログラム終了後元の動作モードに戻る処理を実行するとき、次の形式で指定します。
LAN・・・A-VX10 MXモードでプログラムを実行します。
ITOS・・・スタンドアロンモードでプログラムを実行します。

このパラメータを指定可能な場合は非常に限られます。

  • 以下のモデルのオフコンである。
    システム8、システム8VS、システム8VSII
    システム3100/10、システム3100/10A、システム3100/20A
    システム3100/10LA、システム3100/10LAII
    システム3100/X10L、システム3100/X10、システム3100/X20
    システム7100/10
    OP−98/X10H、OP−98/X20H、OP−98/X30H、OP−98/X10LT
    OP−98/X10W、OP−98/X20W、OP−98/X10N
  • これらのオフコンを、サーバ(上位のオフコン)の端末装置として使用している。かつ端末の形態が仮想ワークステーションという形態である。
  • これらのオフコンに、ハードディスクが付いており、そこにA-VX10 MXモードやスタンドアロンモード用のソフトが入っている。

このパラメータの目的は、システム3100/10やラップトップのようなモデルをオフコン/端末装置兼用で使用している場合に、普段は上位オフコンの端末として使用している。そしてシステム3100/10やラップトップ上のハードディスクにもプログラム(LANWORDとか自分で作ったAPとか)が入っており時々はそれも実行する、という場合(分散処理)に使用するためのものです。

PC/WSエミュレータ(パソコンを使った端末)では使用できません。最近は上記のような端末も減ってきて、パソコンが端末になってきているので、使用されないパラメータです。

P0,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8,P9

run名がJS名またはPM名の時、指定されたJSまたはPM内の可変データを一時的に実行時に置き換えます。

使い方はMS-DOSのバッチの変数(%0から%9まであって、パラメータをバッチ実行時に指定できるようにするもの)というものとほぼ同じです。

使用頻度はそこそこ。うまく使うと非常に便利なため、使う人は多用しています。

RESTART

プログラム起動時に再開(RESTART)番地から開始させる場合に指定します。
run名にエンドユーザ言語SMARTのPM名を指定した時に有効です。JS名に対して指定しても無効です。再開番地が無いプログラムに対して指定するとエラーとなります。

主にSMARTで使用します。

PRI

ジョブタスクの実行優先順位を実行時に変更するときに10進数2桁で指定します。範囲は4から11です。省略するとロードモジュールに設定されている値が採られます。run名(実行するもの)がJS名のときに指定しても無意味です。

PRG01,PRI=8;

規定値を決めてあらかじめ設定してあれば、あまり使用しないパラメータだと思います。
リンク(#LINK)時に設定するか、ライブラリ保守ユーティリティ(#LBM)で設定することができます。

SIZ

プログラムの実行時のメモリサイズを変更するときに、メモリサイズをKB(キロバイト)単位で10進数2桁で指定します。

  • 混合型LMタイプ
    1≦nn≦63ですが、システム生成時の最大タスクサイズが63より小さい場合は、1≦nn≦(最大タスクサイズ)です。
  • 分離型LMタイプ
    リエントラント型は1≦nn≦32、手続き分離型は1≦nn≦63です。
  • 複数分離型LMタイプ
    1≦nn≦63。

このパラメータはメモリサイズを増加すれば処理能力が上がるような場合に使用するためのものです。一部のユーティリティプログラム、システムプログラムに対して有効です。

ちなみに、このSIZの値をあらかじめロードモジュールに設定しておくことが可能です。あらかじめ設定しておけば、RUN文やRUNコマンド実行時に改めて指定する必要がなくなります。
あらかじめリンク(#LINK)時に設定するか、ライブラリ保守ユーティリティ(#LBM)などで設定することが可能です。

SIU

標準入力装置を指定します。標準入力装置として指定できる装置は、カード読取装置だけです。

たぶんもう誰も使っていないでしょう・・・。断言はできないですが・・・。

FIL

run名がロードモジュール(LM)名のときは、そのロードモジュールの入っているロードモジュールライブラリ(LML)のファイル名を指定します。
run名がジョブストリーム(JS)名のときは、そのジョブストリームの入っているジョブストリームライブラリ(JSL)のファイル名を指定します。
run名がパラメータメンバ(PM)のときは、そのパラメータメンバの入っているパラメータメンバライブラリ(PML)のファイル名を指定します。 省略されると、SYS@LML→SYS@JSL→SYS@PMLの順にrun名で指定されたジョブが検索され、最初に発見したジョブを起動します。検索した結果、無ければエラーとなります。

PRG01,FIL=FILELML;

比較的よく使うパラメータです。

DEV

LML、JSLまたはPMLが存在する装置を次の形式で指定します。

MSD[nnn]・・・磁気ディスク装置
FDU[nnn]・・・フロッピーディスク装置

DEVパラメータが省略された場合は、SRV内のファイルからジョブが起動されます。前述のFILパラメータとDEVパラメータの組み合わせで検索し、無かった場合はエラーとなります。

PRG01,DEV=MSD001,FIL=FILELML;

FILと組み合わせて使うことが多く、比較的よく使うパラメータです。

TYP

run名はLM名かJS名かPM名かを選択します。指定することにより起動時間が短縮されます。

LM・・・run名はLM名です。
JS・・・run名はJS名です。
PM・・・run名はPM名です。

昔ならいざ知らず、今は指定してもしなくてもそれほど起動時間は変わりません。

ATTACH

ジョブの画面接続属性を指定します。

MANUAL・・・
AUTO・・・


あまりよくは使わないかも・・・。

SSW

センススイッチnの状態を変更するときに指定します。
(1≦n≦8)

ON・・・センススイッチnをONにします。
OFF・・・センススイッチnをOFFにします。


PRG01,SSW1=ON;


ALL=[SSW]

全センススイッチの状態を一括して変更するときに指定します。
a1a2a3a4a5a6a7a8の形式で指定します。

an=1・・・センススイッチをONにします。
an=0・・・センススイッチをOFFにします。
an=X・・・センススイッチを元の状態を保ちます。


PRG01,ALL=11111111;


一般的にはあまり使わないのではないかと思います。

SKIP

ジョブがジョブストリームのとき、ジョブステップが異常終了すると、それ以降のジョブステップはジョブストリームの最後までスキップされます。

JS01,SKIP;


EXC

A−VX4、A−VX01ではプログラム実行領域(PEA)をメモリ管理が管理しないためこの指定は無効になっています。
ただし一部のユーティリティはこのサイズを指定することによって実行性能が変化することがあります。この目的で指定する場合は、KB(キロバイト)単位で、かつ10進数で指定します。上限は130816KBです。
あらかじめリンク(#LINK)時に設定するか、#LBMで設定することが可能です。

DEBUG

COBOL85会話型デバッガを使用するジョブを起動する場合に使用します。省略すると会話型デバッガを使用しない通常のジョブ起動となります。run名がLM名の場合に有効です。

このパラメータが有効なのは、実行しようとしているオフコン(サーバ)にCOBOL85の会話型デバッガが入っている環境である必要があります。また実行しようとしているLMもリンク時にデバッグ指定していなければなりません。

普段は使いません。

ABORT

自動電源制御に関連するコマンドです。自動電源制御で新規ジョブ開始禁止時刻と電源切断時刻が指定されている場合、新規ジョブ開始禁止時刻を経過後に‘ABORT’が指定されているジョブの実行中に、ワークステーションに対する入力要求が実行されたり、リセットキー待ちのメッセージを表示したような場合に、該当ジョブは強制終了されます。
リセットキー入力待ちなどの入力要求があるとそのジョブはずっと待ち続けて先に進みません。そうすると業務が無人で運転されている場合に、永久に処理が進まないため、処理の途中でシステムシャットダウンとなってしまいます(設定や状態によっては、アプリケーション実行中と判断され、シャットダウンしないこともある)。これは良くないので、新規ジョブ開始禁止時刻以降にキー入力待ちとなった場合は、そのジョブステップは強制終了させて、次のジョブステップに進ませます。

PRG01,ABORT;

2 RUNコマンド(形式2)

形式2のRUNコマンドは今は使用しません。古い形式です。紙カード読み取り装置という博物館級の装置を使用するときに使っていました。


SYSIN = 装置名;

2 RUNコマンド(形式3)

RUNコマンドはプログラムを実行するためのコマンドで、RUNコマンド行に入力します。
ここでは形式3について説明します。


pp [, SIU=装置名] 「ADVANCEキー」

形式3はロードモジュールのみ起動できます。ジョブストリームやパラメータメンバは起動できません。

ppは2桁の数字です。

SIUのパラメータはいにしえの紙カード読み取り装置のみ利用できます。もう博物館級なパラメータです。使わないです。

注意点として、2桁の数字を入れた後に「ADVANCEキー」を押す必要があります。普通は「エンターキー」とか押しがちですが、これだとエラーメッセージが画面に表示されるだけです。

この2桁の数字が何かというと、選択名というもので、ロードモジュールにあらかじめ設定しておくものです。
例えば、PRG01というプログラム(ロードモジュール)にあらかじめ10という選択名を付けておいて、実行したいときは「10」とRUNコマンド行に入力して「ADVANCEキー」を押す、するとPRG01というプログラムが起動します。

選択名を設定する方法ですが、ライブラリ保守ユーティリティ(#LBM)の属性変更で、「PROGRAM SELECTION NAME(SEL)」のところで2桁の数字を設定するだけです。(NECのマニュアルはこの辺りの説明間違えているみたいで、書いてある内容が意味不明です。)

長々と説明しましたが、この形式3のRUNコマンドもあまり使わないです。いちいち2桁の番号付けても何番だったかわすれてしますし、メニューに登録すればメニューの方の番号で起動できます。メニューなら画面見ながら番号選んでエンターキーで起動できるので簡単で面倒がありません。