「隠れオフコン」の時代(1) 前書き編

14:「隠れオフコンの時代」(9) IBMの場合
EXCHANGE 09/28 04:10
* オープン化の流れに対して、IBMオフコンは国内他社と全くちがった姿勢で臨んでいます。



* というか、このメーカだけが唯一自社オフコンに強い誇りと自信をもって向かっています。 ホストコンピュータの老舗、この分野でのリーダとしての意地でしょうか。



* まず、ハード的なところはPC部品やインテルプロセッサを使用せず、独自ハードで構成しています。そのかわり自社製品内の部品共有化をすすめ、とくにAIX(UNIX)製品との部品共通化を計っています。プロセッサにpowerPCを使用しているのもその辺が関係しているようです。(なお、NT用に専用プロセッサを増設することも可能なようです)

 powerPCプロセッサは64ビット、銅線技術を取り入れるなど常に最先端を心がけています。 製品デザインにもIBMらしいこだわりをみせ堅牢さと力強さを象徴するBLACKを採用しています。



* もちろんOSも独自の「OS400」、堅牢さ、資産継承性(IBMでは「お客様の投資の保護」とよんでいます)、だけでなく先進性も売り物にしています。

 このOSの基本設計をした「フランク・ソルティス博士」をカリスマにして顧客に熱狂的な「AS/400信者」をつくりだすことに成功しています。



 「ASでなけれはコンピュータじゃない、NTなんて話にならん!」 て感じです。



 時々、ソルティス先生が来日され「ファン」との交流の場が設けられているようです。



* しかし、単なる人気ではありません。

 OSの内容はきわめて強力です。

 基本設計がしっかりしており、当初から全面的にRDBを採用し、DBの仕様においても現在のオラクルなどと遜色のない設計です。 つまり「オフコン」という名の「オープンサーバ」といってもよい中身です。 もちろん、「バッチジョブ」での強力な制御機能、サブシステム間のリソース配分の調整、などホストコンピュータ特有の機能がふんだんに盛り込まれています。



* UNIXとの互換(UNIX化?)も進められており、さらにWWWサーバ、JAVA言語の使用、JVMの実装も行われています。オールJAVAでの開発も可能です。



* 「ホスト」「UNIX」「PC」 

 現在のコンピュータ界の3大勢力のそれぞれの雄の代表的製品

 「IBM」OS400、OS390

 「サン」 SOLARIS

 「MS」 Windows2000



 これらの内容をよく見れば、さすがに「超一流はすばらしい」「やっぱりコンピュータはアメリカが本場だな?」と思わざるを得ません。



* だいぶIBMのちょうちん持ちをしてしまいましたが。。



* ところが、これらの経緯にもかかわらず。。。

  AS/400という名称を取り下げ、「iサーバ」というネーミングに変更。 IBMよ、おまえもか?!



* AS/400(あえてこう呼ばせて頂きます)の弱点は、「価格」でしょう。 A-VXでいえばEX620クラスの顧客にはASはちょっと値段的にしんどいと思います。

 IBM側も、最近は「domino専用サーバ」など用途向けAS/400を発売するなど、やや専用化、高級化路線に傾いているようです。(日本の中小企業などはどうでもよいと??)



* 代理店も、大企業ユーザのコンピュータ部門が代理店化したところが多く、下請けさんなどへの系列販売でけっこう生活できたので、熾烈な売り込み値引き合戦には弱く、中小企業への売り込み(特に地方で)は弱いようです。



* 国内のすべてのオフコンが死滅してもASは最後まで残るでしょう。  

 ただ、将来大規模のみになっていって、「私たち」に手の届かないものになってしまっては。。(なくなったのと同じです)



(続く) 次回はいよいよ、我らがNECです。(こうご期待)



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