1:将来600シリーズは巨大なドンガラ(空洞)と化すか? EXCHANGE 01/25 20:42 * 日本Unisysという会社のHPを訪れて、この会社の汎用機「CS7801−185」や「CS7402」「CS7201」などの資料をごらんいただきたい。 ここではCMPというテクノロジーが使われ従来型ホスト系OSと新しいオープン系OS(といってもWindowsのことだが)を同じ筐体内で同時に稼働させるようになっている。 CS7201に至ってはすべてのCPUがインテル製で、ホストOSの方はインテルCPU上にエミュレーションソフトをかませてその上で稼働し、また同時にWindowsも稼働するようになっている。これは一見我らが600シリーズと非常によく似たやり方にみえる。 * ところでUnisysのようなやり方は現代のホスト系マシンではそれほど特異な方法ではない。それどころか「ホストOS」を中心に据えながら同一筐体内で「windows」さらには「Linux」など複数のオープン系OSを稼働させ連携を計るという方法はホストの世界では今日主流となっているといえる。 * こういう観点から見れば、NECが700シリーズから始めて600シリーズに至る一連の製品でWindows上でAーVXを稼働させてきた方法論は時代の本流に沿ったやり方であるといって間違いないだろう。(ハードだけをPC系に換えOSはホスト系ASPのみの改良で押し通す富士通はまさにオフコン原理主義といえるかもしれない) * さて、600シリーズに携わっておられる技術者、担当者の方は最近になって何か「あること」に気づいておられるのではないだろうか? ハードウェア、とりわけメモリ、ディスクなどの低価格化で600シリーズにおいても新モデル(直近では600xi)が発売されるたびにスペックは拡大し続け、今や下位モデルにおいても少し増設すればメモリ1G以上、ディスク100Gなどというのが十分可能になった。 * 問題は、さてそこで、だ。 旧S7200(オフコン)のわずかディスク900MB×2台程度で「基幹業務」をこなしていたシステムの「資産継承」を「スムーズ」に行ったところで「はた」と困ってしまうのだ。 余ったディスク領域を一体何に使えば良いのか? 現時点においてはこうした考えは「一瞬、担当者の頭をよぎる程度のもの」かもしれない。 MSDを(使わないと分かっていても)大きめに取ったり、NT連携領域と称するものを「将来きっと使うだろう」などといって大きめに取ったり。。作業する者はある程度自分を納得させることはできるだろう。 しかし「今後さらに新製品が出てどんどん容量が大きくなったとき一体どうすれば良いのか?」 * こういった問題を経営者が聞きつければ「それでは1ランク下のモデルを買えば!」と叫ぶだろうが、主催者側(供給側?業界側?)はそうもいかないだろう。オープン化の流れを吸収し、顧客の求める新しい領域(「貴重なデータの活用」「複数サーバTCOの削減」等)を切り開き、業界を繁栄させるためには、Unisys社が行っているような「1台で??台の効果」がぜひとも必要なのである。 * こういうと、読者は「600シリーズはすでに前述の通りA−VXとindowsが同時に稼働して利用できるシステムとして設計されているのではないか?」と思われるかもしれない。 それは正しいが、ある意味で間違っている。 実は600シリーズのやり方とUnisysのやり方には大きな違いがある。 * Unisysの方式では、複数のCPU、巨大なメモリを持っていても、それらは「論理的な区画」によって分割されておりそれぞれの「区画」に別々の資源(CPU等)を割り当てることが出来る。 つまり「区画間の負荷」を調整、制御出来るのである。 * 翻って我が「600シリーズ」を考えてみよう。 まず、純オフコン(S3100、S7200等)だった頃を思い出して欲しい。「RDBQ」や「skylink」で大規模な検索をかけると「業務側」がグッと遅くなったり止まったりした記憶がおありではないだろうか?(業務ソフトウェア側で大量の検索を行なって言う場合も同様である)この種のDB検索はA−VXの場合ほとんどが全件検索になってしまい、CPUに大きな負荷がかかってしまう。 この傾向は600になっても同様である。(もちろんCPU性能が劇的に向上している分だけ改善しているのは事実ではあるが。) そして、RDBQ2等で大量の検索をかけているときWindowsのタスクマネージャで観察すれば分かるが、CPU使用率がグッと高くなるが、メモリ使用量はほとんど増えていない。 * A−VX側ソフトウェアからDB検索させる場面で、oracleやSQLサーバなどを同時に稼働させて「情報系」を構築したり、TS機能を使ってofficeなどを集中管理しようとしても、同じWindowsw上で稼働しているためお互いの負荷を制御しにくくなってしまい、運用上非常に問題があるといえる。 「windows上でA−VXが稼働する」といいつつ、NECのカタログなどを見ていると拡張された部分はほとんど「別サーバ」になっているのはそのためではないだろうか? そして、ほとんどのwindows業務を別サーバにしてしまった状況で残っている連携機能は富士通の純粋オフコンOSでも可能な程度の変更機能なのである。 (ということは、windowsはintelチップとA−VXの間の単なる「巨大なファームウェア」にすぎなくなってしまい、windowsと共存させた意味はあまりなくなってしまうのである。) * 負荷のかかる業務は結局A−VXのみしか出来ないとすれば、前述のRDBQの動作をみても分かるようにメモリをある程度を超えて増やしてもあまり意味はなく、基幹業務のみでは増大し続けるディスクをいつかもてあまして、有効利用できなくなってしまうのではないだろうか? * かくて、将来の600シリーズにおいては、 有り余るハードウェア資源を前にして、 顧客に 「手のひらサイズに近づいていく下位機種を勧めるか」 「必要だと偽って、巨大なドンガラ(空洞)を販売するか」 のいずれかの道を歩むことになってしまうのではないだろうか? * 以上は、筆者の独断と偏見に満ちた見解であり、最新の600シリーズ上で負荷のベンチマークを行ったわけではないので、不正確である可能性は高い。 しかし、筆者の心配事が杞憂であることを祈る。 |