Ａ−ＶＸの文字コード
- １ Ａ−ＶＸで使える文字
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ＷｉｎｄｏｗｓやＵＮＩＸとかで、コンピュータ内に保存しているファイルを表示したり、インターネットでサイトを表示したりすると、ときどき文字化けして、読めなかったりすることがあります。その時、文字コードを変えると正しく表示されたりします。
文字を保存したり、表示したりするのには、いろいろな文字コードがありますが、Ａ−ＶＸも使っている文字コードが決まっています。Ａ−ＶＸの文字コードは下のようになっています。
１バイト（ANK）系コード ＥＢＣＤＩＣカナ 日本語処理系コード ＮＥＣ内部コード 日本語入出力系コード ＪＩＳコード（ＪＩＳ Ｃ ６２２６） 日本語処理系コードというのは、２バイト文字です。正式な名前はよくわかりません。説明書だったり、ＮＥＣから出された文書類によって名前が違います。とりあえず、ＮＥＣ内部コードとしておきます。Ａ−ＶＸがハードディスクやフロッピーディスクにデータを書き出したりするときに使う文字コードです。
日本語入出力系コードというのは、端末から文字コードを直接入力したりするときの文字コードです。
Ａ−ＶＸは２つの文字コードを使用しています。面倒です。
- ２ １バイト系のコード
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Ａ−ＶＸが使用している文字コードは、ＥＢＣＤＩＣカナと呼ばれるものです。 Ａ−ＶＸのＥＢＣＤＩＣは英小文字は使えません。カナ文字は使えます。
一般的に言われているＥＢＣＤＩＣカナとは、微妙に異なります。
- ３ 日本語のコード
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日本語は少し複雑です。
日本語入出力（キーボード入力とか）は、ＪＩＳコード（ＪＩＳ Ｃ ６２２６）で行います。端末からキーボードで直接１６進数で漢字を入力するときなどです。
ただ、ＮＥＣの公式説明書では、「ＪＩＳ Ｃ ６２２６」と書いてありますが、実際は「ＪＩＰＳ（Ｊ）」と呼ばれるＮＥＣ独自の文字コードです。一方データとしてファイルなどに格納する時には、ＮＥＣ内部コード（Ｓ１００内部コード、ＩＴＯＳ内部コード、Ａ−ＶＸ内部コード、Ａ−ＶＸ日本語コード、内部コード（Ｅ）etcマニュアルにより、いろいろな言葉で書かれている）に内部変換されて格納されます。ＪＩＳコードとＮＥＣ内部コードとの変換は、システム内部で勝手に行われるため、使用者は全く気にする必要はありません。
このＮＥＣ内部コードは、日本語をKI/KOコードで囲む必要がないという特徴を持っています。
Ａ−ＶＸでは全てこのＮＥＣ内部コードで処理されています。従ってＡ−ＶＸのファイルからＷｉｎｄｏｗｓなどのファイルに変換する場合には、ＮＥＣ内部コードからＳＪＩＳへの変換が必要になります。
ＪＩＳコードといっても策定時期によっていくつかの種類があります。Ａ−ＶＸはＪＩＳ７８を使っていますが、最近のパソコンはＪＩＳ９０を使用しています。主に問題になるのは文字の形です。例えばパソコンのＷＳエミュレータを使用している場合などに、画面に表示されている文字とプリンタで印刷された文字の形が違うということが起きたりします。
- ４ ＮＥＣ内部コード
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Ａ−ＶＸがハードディスクなどにデータを格納するときは、「ＮＥＣ内部コード」という文字コードで書き込みます。そのためＡ−ＶＸのデータファイルからＷｉｎｄｏｗｓやＬｉｎｕｘなどのファイルにコピーするときは文字コードの変換が必要になります。
このＮＥＣ内部コード、正確にはＪＩＳ８ベースの内部コード（Ｊ）とＥＢＣＤＩＣベースの内部コード（Ｅ）の２種類があるようです。Ａ−ＶＸは内部コード（Ｅ）の方です。内部コード（Ｊ）の方は今回関係ないので、ＮＥＣ内部コードと書いたら、内部コード（Ｅ）の方としてください。
一般的な文字コードは、１バイト文字と２バイト文字の区別ができないので、２バイト文字の最初と最後にＫＩ／ＫＯコードを付加してあげなければなりませんでした。シフトＪＩＳはＫＩ／ＫＯコードを付加しなくてもよいように配置をずらした文字コードです。
ＮＥＣ内部コードは、シフトＪＩＳのように、ＪＩＰＳ（Ｅ）という文字コードを区と点に分けて、区を１バイト文字コード（つまりＥＢＣＤＩＣ）の空き領域に一定の規則でシフトして、ＫＩ／ＫＯコードを不要にしたものです。
シフトＪＩＳはＪＩＳ８コードの空きに割り当てましたが、ＮＥＣ内部コード（Ｅ）の場合は、「ＮＥＣオフコンで使用しているＥＢＣＤＩＣ文字セット」の空きに割り当てます。空きとして割り当てる箇所がシフトＪＩＳよりも多いので、シフトＪＩＳより多くの種類の文字コードを使用できることになります。このおかげでＪＩＰＳコードのＧ０文字集合、Ｇ１文字集合両方の全ての文字コードを表現できます。
上のＥＢＣＤＩＣの文字コード表の緑色の場所が、区をシフトして割り当てている部分です。（シフトＪＩＳの同じような表と見比べてください。シフトＪＩＳの表よりも緑の場所が多いでしょう？）
上がＮＥＣ内部コードのコード表の一部です。区点の並びで表にしてあり、赤字が区点です。青色の行側が文字コードの１バイト目、列側が２バイト目になります。
区点並びのコード表を見れば解るとおり、２回もコード変換（ＪＩＳ８→ＥＢＣＤＩＣ変換＆シフト）しているので、区点と文字コードの対応／文字の順番はバラバラです。
このように文字の順番がバラバラだと何か問題が起きないというだろうかという疑問もでてきますが、ＮＥＣのオフコンではこの文字コードはハードディスクなどに保存するときやデータ転送するとき（データ出力時）だけ使われて、文字を処理する（文字をキー入力をする、文字の大小を比較する／文字でソートするような）ときはＪＩＳ漢字コードの順番で処理され、うまく問題が起きないようになっています。つまり、ＮＥＣのオフコンは２種類の文字コードをうまく使い分けているわけです。（なんて面倒な・・・。）
ＮＥＣ内部コードから、ＪＩＳ漢字コードへの変換方法ですが、先に説明した逆（シフトを元に戻して、ＥＢＣＤＩＣ→ＪＩＳ８変換）をしてもいいのですが、１回で変換できるように変換表が用意されています。
その変換表は、ＮＥＣオフコンのマニュアル「メッセージ管理３説明書」の「Ｓ１００漢字からＪＩＳ漢字への変換表（区）」と「ＥＢＣＤＩＣカタカナ符号からＪＩＳ８符号への変換表」の２つを使います。一旦ＪＩＳ漢字コードになってしまえば、さらに他の文字コードに変換するのは簡単ですね。
ＪＩＰＳのところでも書きましたが、８区、９区、１２区、１４区、１５区（具体的に言うと罫線文字とかですな。）はＮＥＣが勝手に拡張しているので、この部分は工夫が必要です。Ｇ１文字集合もＮＥＣ独自だから、ここも工夫が必要ですね。
ＮＥＣが勝手に拡張しているってことは、ＪＩＳ漢字コードにはそんな文字は用意されていないっていうことですから、規則に従って変換しても、そこには文字が無いってことです。
ＪＩＰＳ系の利点である「交互変換時に１バイト文字と２バイト文字を区別しなくて良い」という点と、シフトＪＩＳの利点である「ＫＩ／ＫＯという印をつけなくても良い」という点、かつシフトＪＩＳの「表現できる文字数が少ない」という欠点を解消した、良い所取りの文字コードということです。その代わりに文字コードの順番が区点の順番と異なるという欠点がありますが。
ＮＥＣのオフコンぐらいしか使用していないとてもマイナーな文字コード体系です。
- ５ ＮＥＣの文字コード体系
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ＮＥＣ内部コードですが、単独で見ると、突然出現したおかしな文字コードに見えます。例えば、ＥＢＣＤＩＣのバラバラの位置にある空き領域に適当に押し込んだように見えます。
ＮＥＣに複数ある独自の文字コードの関係を見ると、すっきり整理できます。
まず、おおもとは、日本の文字コードの規格、「JIS C 6220（JIS X 0201）＋JIS C 6226（JIS X 0208）があります。
- ●ＪＩＰＳ（Ｊ）
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このJISの文字コードにＮＥＣが独自拡張したものが、「ＪＩＰＳ（Ｊ）」という文字コードです。
１バイトコードに「JIS C 6220（JIS X 0201）」、２バイトコードに「JIS C 6226（JIS X 0208）」を採用して独自拡張しています。
独自拡張とは、丸で囲った数字（�´↓�・・）とか、ローマ数字（�記境掘ΑΑΑ砲箸�、組文字（�銑鱈帖ΑΑΑ法�罫線（├─└・・・）といった文字を加えた、ということです。
ＮＥＣの独自文字コードのうち、最も基本的な文字コードになります。どの文字コードもこれから派生します。
ＮＥＣのメインフレーム：ＡＣＯＳ系で使われる文字コードです。ＮＥＣのオフコンの文字コード入力時に使う文字コードも実際はこれです。
カッコ内のＪの意味は、おそらくＪＩＳ８の頭文字のＪだと思います。１バイトコードと２バイトコードの切り替えは、KI/KOで行います。
- ●ＪＩＰＳ（Ｅ）
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「ＪＩＰＳ（Ｊ）」をJIS-EBCDIC変換したものが「ＪＩＰＳ（Ｅ）」です。
１バイトコードに英子文字なし、カナありのＥＢＣＤＩＣを使用しています。２バイトコードは、「ＪＩＰＳ（Ｊ）」をJIS-EBCDIC変換したものです。
ＮＥＣのメインフレーム、ＡＣＯＳ２やＡＣＯＳ４が内部でデータを扱うとき（ハードディスクにデータを格納するときなど）は、この文字コードです。おそらくＡＣＯＳ６も同じだと思います。
カッコ内のＥの意味は、おそらくＥＢＣＤＩＣの頭文字のＥだと思います。１バイトコードと２バイトコードの切り替えは、KI/KOで行います。
- ●ＰＣ−９８０１などのパソコンのシフトＪＩＳ
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ＰＣ−９８０１シリーズなどの大昔のＮＥＣのパソコンの文字コードはこれです。
ＪＩＰＳ（Ｊ）の文字体系をベースに、”１バイト文字が使用していない位置”に文字をずらした（シフトした）文字コードです。
ＪＩＰＳ（Ｊ）がベースなので、丸で囲った数字（�´↓�・・）とか、ローマ数字（�記境掘ΑΑΑ砲箸�、組文字（�銑鱈帖ΑΑΑ法�罫線（├─└・・・）といった文字があります。２バイト文字の１バイト目をシフトする範囲は、16進数で81から9F、E0からFCの範囲になります。
１バイトコードと２バイトコードの切り替えにKI/KOのようなコードは不要です。
パソコンの世界で、シフトＪＩＳに丸数字（�´↓�・・・）やローマ数字（�記境掘ΑΑΑ砲�あったり、なかったり、いろいろ混乱している根本原因の文字コードです。
- ●Ｎ５２００文字コード、内部コード（Ｊ）
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「Ｎ５２００文字コード」とか、「Ｎ５２００内部コード」とか、「内部コード（Ｊ）」などと呼ばれている文字コードです。
シフトＪＩＳの一種で、ＪＩＰＳ（Ｊ）の文字体系をベースに、”１バイト文字が使用していない位置”に文字をずらした（シフトした）文字コードです。
ＪＩＰＳ（Ｊ）がベースなので、丸で囲った数字（�´↓�・・）とか、ローマ数字（�記境掘ΑΑΑ砲箸�、組文字（�銑鱈帖ΑΑΑ法�罫線（├─└・・・）といった文字があります。同じシフトＪＩＳ系とはいえ、上で説明した「ＰＣ−９８０１などのパソコンのシフトＪＩＳ」とは差異があります。
１バイト文字に英子文字がありません。つまり１バイト文字の範囲は、ＡＮＫ文字が16進数で20から5Fの範囲、カナ文字が16進数でA0からDFの範囲です。
このため、２バイト文字の１バイト目をシフトする範囲が、16進数で60から9F、E0からFFの範囲になります。（使える２バイト文字の範囲が広い）１バイトコードは、英子文字なし、カナありのＪＩＳ８です。２バイトコードは上記のようにシフトしたものです。
ＮＥＣの古いビジネスパソコンのＮ５２００シリーズ（ＯＳ名はＰＴＯＳ）やオフコンのＮ６５００、Ｓ３０５０、Ｓ３１００／Ｓシリーズ、ＯＰ−Ｘ（ＯＳ名はＮＴＯＳ、Ａ−ＶＸ５）が内部で文字処理をしているときに使用する文字コードらしいです。（ＮＥＣのオフコンは複数系統あります。ＯＰ−ＸはいろいろなＯＳを入れることができますが、ＯＳがＡ−ＶＸ５の場合の文字コードです。）
おそらく内部コードなので表には出てこない文字コードなのだと思います。１バイトコードと２バイトコードの切り替えにKI/KOのようなコードは不要です。
- ●Ａ−ＶＸ内部コード、内部コード（Ｅ）
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「Ｓ１００内部コード」「ＩＴＯＳ内部コード」「Ｓ３１００内部コード」「Ａ−ＶＸ日本語コード」「内部コード（Ｅ）」などとも言われている文字コードです。説明書によって表現が異なりますが、実際はこれらは同じものです。
ＪＩＰＳ（Ｅ）をベースに、”１バイト文字が使用していない位置”に文字をずらした（シフトした）文字コードです。
あるいは「内部コード（Ｊ）」をベースに、JIS-EBCDIC変換した文字コードです。
ＪＩＰＳ（Ｊ）がベースなので、丸で囲った数字（�´↓�・・）とか、ローマ数字（�記境掘ΑΑΑ砲箸�、組文字（�銑鱈帖ΑΑΑ法�罫線（├─└・・・）といった文字があります。１バイトコードは、英子文字なし、カナありのＥＢＣＤＩＣです。２バイトコードは上記のようにシフトしたものです。
ＮＥＣのオフコン、システム100/150/50、システム3100、システム7200、OP-98、Express5800/700、Express5800/600シリーズ（ＯＳ名はＩＴＯＳ、Ａ−ＶＸ１０、Ａ−ＶＸ２、Ａ−ＶＸ３、Ａ−ＶＸ４、Ａ−ＶＸ０１、Ａ−ＶＸ０２）で使用している文字コードです。
ＮＥＣの古いビジネスパソコンのＮ５２００シリーズ（ＯＳ名はＰＴＯＳ）やオフコンのＮ６５００、Ｓ３０５０、Ｓ３１００／Ｓシリーズ、ＯＰ−Ｘ（ＯＳ名はＮＴＯＳ、Ａ−ＶＸ５）がハードディスクやフロッピーディスクにデータを格納するときに使用している文字コードです。１バイトコードと２バイトコードの切り替えにKI/KOのようなコードは不要です。
NECのオフコンに使用しているEBCDICは、８ビットのカナ文字を追加したEBCDICカナと呼ばれているものです。このため８ビットの英小文字は使用できません。
ちなみにEBCDICが各社で拡張されて微妙に違うIBM版やHP版のEBCDICがあるように、EBCDICカナにも微妙にコードが違うNEC版や日立版やIBM版があるようです。
だからＪＩＳ７８のパソコンやオフコンで見た文字がＪＩＳ９０ので見ると違う文字ということになったりします。普通は影響は少ないのですが、これらの文字を人名などに使っている場合には問題になります。正式名はJIS X 0208-1990。
このあたりの問題はＮＥＣ製オフコンに限らずにパソコン、メインフレーム、他社オフコンなどでも発生しています。これらの問題の情報はインターネット上のあちこちのサイトに書いてあります。yahooやgoogleなどの検索サイトで「ＪＩＳ９０」とか「ＪＩＳ７８」等で検索すれば、そんなサイトが大量に見つかります。